2017年07月11日
CSのTBSニュースバード「ニュースの視点」で、今年前半の映画特集をやるために自分のベスト3を選ばなければならない。特集は年間600本映画をみるという宮内鎮雄大兄に話を伺うのが最大の目的。僕はこの半年は映画をあまりみれていないので、恐縮しつつも、ベスト1だけはもう決めている。ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』だ。仕事柄、ドキュメンタリー映画はみる機会があるのだが、ハリウッドの娯楽大作などはほとんどみていない。『たかが世界の終わり』(グザヴィエ・ドラン監督)は昨夜、S嬢から借りた。沖縄で見た『人生フルーツ』もよかった。原一男監督の『ニッポン国VS泉南石綿村』とかも捨てがたいが、あれはまだ未公開だっけ。あと『雪女』(杉野希妃監督)とかも。
午前中の官房長官記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が、加計学園関連でしっかりと質問をして長官に食い下がっている。ところが、せっかく追い詰めたかと思いきや、会見の最後の最後にテレ朝の男性記者が(まるで満を持していたかのように)「藤井四段の29連勝達成についてのコメントを」などと質問した。僕は呆れてしまった。まるでカフカの小説だ。ところが会見後まもなく始まったNHK正午のニュースをみたら、トップニュースは、その藤井四段の偉業達成に沸く地元のリアクションだった。僕ら日本人はこういう民族なのか。
14時から東電裁判の打ち合わせ。今年3月の前橋地裁の福島第一原発事故被害の民事訴訟判決で、東電側に津波到来の予見可能性を認めた画期的判断を引き出した原告団の鈴木弁護士に話を聞くことに。さっそく今夜、話を聞きに前橋に行く。前橋は東京からずいぶん遠い。だが行った甲斐はあった。
6月28日(水) 朝10時に千葉県市川市で地震学者・島崎邦彦さん(東大名誉教授)のインタビュー。島崎さんからはある種の気概・覚悟のようなものが感じられた。東北地方太平洋側に大津波が到来する可能性について、当時、政府の地震調査委員会(文科省管轄)にいた島崎さんは、2002年に「長期評価」を策定して政府の中央防災会議に提出しようとした。ところがその過程で、内閣府等からの理不尽な「圧力を感じた」と証言した。それを裏付ける内閣府からのメールも僕らは入手していた。結局、島崎さんの言うところの「不都合な真実」に向き合わず、何の対処もなされなかったことから、あのような大災害が起きたと島崎さんは明言した。
僕はそれを聞きながら、ああ、同じじゃないかと心の中で思っていた。
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