2017年12月19日
[26]続・日韓の若者、どっちが生きづらい?――髪型も服装も自由――韓国の「学生人権条例」
日韓両方の中学校を経験した子供や親たちに聞いてみた。親は国際結婚で、子供たちは20歳まで日韓両方の国籍を持つ。
「どっちの学校の方がいい?」
「韓国の学校の方が自由だったことは確か。日本では学校帰りに寄り道はダメだし、なんと授業中に水筒のお茶を飲んだだけで怒られた」(中2女子)、「日本の中学は教室に暖房もなく、寒い日にタイツもひざ掛けもダメとか信じられない」(中3女子)、「部活を途中で辞めるのは内申書に響くと言われた」(中1女子)等々。日本の学校への不満の多くは、学業以外のことだった。一方で良い話もある。
「先生がすごく熱心。宿題もちゃんと見てくれる」(中2男子)、「日本の学校は理科などに実験があるのはいい。韓国の学校は教科書と問題集だけなのでつまらなかった」(中3男子)、「友だちが優しい。KPOPファンの子も多いし」(中2女子)
親の意見も聞いてみた。
「思ったより、日本の学校も大変だなというのはあります。不登校の子も多いし。でも、先生は熱心ですよね。韓国の学校には、あきらかに『塾まかせ』みたいな先生も多かった。自習ばっかりとか」(40代、日本人母)
「日本の学校は韓国に比べると細かい規則が多くて大変。私たちの時代よりも厳しくなっているかも。あと連絡がメールではなくプリントや連絡帳というのに驚いた」(40代、日本人母)
「韓国の方が時間に余裕があって、子供にいろいろなことをさせられます。日本は部活部活でそれ以外のことは何もできなかった。うちの子の場合は、それがよかったと思いますが」(50代、日本人母)
私は働く大人なので、両国教師の仕事環境にも関心がある。日本の中学校の先生は、総じて忙しすぎるようだ。かたや韓国の先生は、前稿でも書いたように意欲減退になりやすい。どちらも大変といえばそうだけど、子どもたちの将来や、国の未来を考えた場合、日韓どちらのほうがよいのだろう?
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