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[64]囲いのなかのエルサレム「首都」抗議行動

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

エルサレムをイスラエルの首都と承認したトランプ米大統領に抗議する日本在住のイスラム教徒ら=東京都港区20171215拡大エルサレムをイスラエルの首都と承認したトランプ米大統領に抗議する日本在住のイスラム教徒たち=2017年12月15日、東京都港区 撮影・朝日新聞社

12月12日(火) 午前10時から局で『報道特集』の定例会議。早稲田大学の来季授業のシラバス、作成が遅れていたが何とか作りあげて提出。

 夕方から上智大学で日本マス・コミュニケーション学会メディア倫理法制研究部会の集い。雑談風な話の中で驚いたのは、「働き方改革」なるものの一環として、民放ローカル局やBSなどでロボット・アナウンサーが導入されているという話だった。ロボットだから言い間違いはないとか。ブレードランナー的な世界が現実化しつつある。ワークショップや研究会で何をやっていこうかについて参加者がさくさくと話し合い。会議後、若干の飲食。上智大学の屋上からの都心の眺めはなかなかいい。

12月13日(水) 朝、10時半からCSのTBSニュースバード「ニュースの視点」で『松元ヒロさんと振り返る2017年』の収録。ゲストに木内みどりさん。松元さんは「テレビに出られない」をネタにもしている人だが、スタジオ・トークでギリギリまで弾けていただき、とても面白かった。その後、松元さん、木内さんらと年末ランチ。楽しいランチだった。

 夜、新宿でSらと忘年会。最近、何だか酒量が増しているな。だが酒は何ものも解決しない。

僕らの世界の現実

12月14日(木) トランプ大統領のエルサレムをイスラエルの首都に認定するとした宣言、その影響をさぐる企画で、パレスチナ暫定政府駐日総代表部のワリード・アリ・シアム代表にインタビュー。早く取材場所に着きすぎて、麹町近辺の立ち食いソバ店に入ったら、朝から結構客が入っていた。長期の海外取材から帰国した際などは無性にこの立ち食いソバ店に飛び込みたくなるものだ。日本の立ち食いソバ店は本当にレベルが高いと思う。

 Mディレクターらと合流。ワリード氏は、大使館であれば大使にあたる人物だ。日本駐在歴計14年という人物。たいへんな親日家である。そのワリード氏はかなり怒っていた。エルサレムをイスラエルの首都に認定するというアメリカのトランプ大統領のアクションは日本では想像できないくらいのインパクトを欧州や中東世界に及ぼしている。

 今日の夕刻の予定がどうしても調整がつかず、集いの方にメモを提出して、以前からの約束の方へ向かう。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、東京メトロポリタンテレビジョンが1月に放送した『ニュース女子』なる番組の沖縄の基地反対運動をめぐる放映について「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。制作主体についての違反の指摘ではなく、「持ち込み番組」をチェック(考査)する責任をもつ放送局(MXテレビ)側の違反の指摘という限界があるのだが、まあ、至極妥当な結論だろう。あの番組は吐き気がするほどの酷い内容だった。だが、テレビの世界でまともに反応したのは、大阪のMBS(毎日放送)の斉加尚代ディレクターくらいなもんだった。それが僕らの世界の現実だ。

抗議集会の現場は不思議な異空間

12月15日(金) 心身が若干弱ってきているので、朝早くプールに行き30分ゆっくりと泳ぐ。これでだいぶん体から老廃物が出て行ったように思うけれど。

 15時から東京のアメリカ大使館前で、在日イスラム教徒たちによるエルサレム首都認定宣言への抗議集会が行われるというので現場取材に向かう。アメ大の周辺に行って驚く。 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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