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安倍改憲では安倍改憲の目的は達成できない?

自衛隊明記の自己矛盾

倉持麟太郎 弁護士(弁護士法人Next代表)

あなたの目的を達成するのに、その手段は有効?

衆院予算委で答弁する安倍晋三首相拡大衆院予算委で答弁する安倍晋三首相

 およそいかなる言動にも目的があり、それを達成するためにどのような手段をとるか、ということが重要だ。スープを飲むという目的のためにフォークという手段は適切ではないし、渋谷の家から霞が関の裁判所に〝歩いていく〟という手段は、「痩せる」ことが目的なら適切そうだが、「急いで行く」ことが目的なら手段として適切ではなさそうだ。

 法学部で憲法を学ぶと、憲法訴訟論のメインとして習うのが「違憲審査基準論」である。ある法律や国家行為が憲法に適合しているか否かについて、ある法律の立法目的を達成するのにその手段は有効か、といった判断手法を採用する(目的手段審査)。

 たとえば、非嫡出子の相続分を嫡出子の半分にするという法律の目的が「法律婚の維持」だったとして、法律婚を維持する目的のために、非嫡出子の相続分を半分にするという手段に関連性があるか、ということが吟味される。

 安倍総理から投じられた大きな一石である「9条1項2項を維持したまま自衛隊を明記する」という改憲提案。この改憲提案の「目的」に対して、その目的を達成する「手段」として安倍総理の言う〝自衛隊を明記するだけ〟という手段が適切なのか、すなわち、安倍改憲という手段で安倍改憲の目的を達成できるのか。

 筆者の結論は、「否」である。

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筆者

倉持麟太郎

倉持麟太郎(くらもち・りんたろう) 弁護士(弁護士法人Next代表)

1983年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事、弁護士法人Next代表弁護士。ベンチャー支援、一般企業法務、「働き方」などについて専門的に取り扱う一方で、TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」レギュラーコメンテーター、衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考人として意見陳述、World Forum for Democracyにスピーカー参加、米国務省International Visitor Leadership Programに招聘、朝日新聞『論座』レギュラー執筆者、慶應義塾大学法科大学院非常勤講師(憲法)など多方面で活動。共著に『2015年安保 国会の内と外で』(岩波書店)、『時代の正体 Vol.2』(現代思潮新社)、『ゴー宣〈憲法〉道場』(毎日新聞出版)、著書に『リベラルの敵はリベラルにあり』(ちくま新書)がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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