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軍事境界線を挟んで握手しようとして手を伸ばす金正恩朝鮮労働党委員長(左)と韓国の文在寅大統領=韓国共同写真記者団撮影.拡大軍事境界線を挟んで握手しようとする金正恩朝鮮労働党委員長(左)と韓国の文在寅大統領=韓国共同写真記者団撮影

4月24日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。やれやれ。途中退席。午後2時からテレビ朝日の社長の定例会見。テレ朝は財務事務次官のセクハラ問題で抗議文を送付していることから、社長が何を言うかに関心が集まり、とても多くの報道陣が詰めかけていた。なぜか動画の撮影は許されなかった。この記者会見は、NHK内にある「放送記者会」という記者クラブの主催ということになっているが、民放の記者はその記者クラブには加盟していない。それで加盟社以外は「オブザーバー参加」という資格で記者会見への参加が認められてきたという実情がある。記憶に新しいところでは、NHKの籾井勝人会長の就任会見の時は、民放も含めて大勢の記者たちが押し寄せた。動画の撮影も許可された(当たり前だろう、「放送」記者会なんだから)。そこで籾井氏は問題発言を連発した。

 さて、テレ朝の会見が始まると、司会の広報局長が「定例の記者会見部分とセクハラ問題に関する会見及び質疑は分けて実施したい」と言った。すでに記者クラブの幹事社との打ち合わせでそうすることが決まっていたようだった。そしてセクハラ問題の質疑に移るや、東京新聞の望月衣塑子記者が猛然と口火を切って質問を発し始めたので、内心「しめしめ」と思って挙手した。僕は望月さんもてっきりオブザーバー参加だとばかり思っていたので。この種の記者会見は、現場の空気で柔軟に運営されてきたことが多いのだ。

 挙手すると幹事社の人が僕をあててくれた。それで僕は社名と氏名を名乗って次のように質問した。「角南(源五)社長も篠塚(浩)報道局長も報道記者を経験されてきて、今も報道を含む仕事をなさっているということを踏まえてお聞きする。上司の人が上にあげなかったのはまずかったというようにおっしゃっていたが、あがっていたならば、この事案は当然報道すべきことだったと思われますか?」。すると、司会の広報局長が「今日の会見は、NHK記者会に来ている人に来てもらっておりまして、民放の方々は参加していません。事実関係の確認ということでオブザーバーで来ていただいているので、質問の方は……(ご遠慮願いたい)」と答を回避しようとしたのだった。僕はあっけにとられた。「だって東京新聞の望月さんが訊いていたのでいいのかと思ったんですが」と僕が抗弁すると、 ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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