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死刑が執行されたという新しい情報が入るたびに死刑囚の顔写真に「執行」のシールを貼り、逐一状況を伝えた拡大オウム真理教事件で、死刑執行の新情報が入るたびに死刑囚の顔写真に「執行」のシールを貼っていったフジテレビの番組より=2018年7月6日

7月3日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。今週のネタが定まらず。気に入っていたアンペルマンの小銭入れが見当たらない。どこかでなくしてしまったのだろう。何やってんだか、本当に自分が嫌になる。

 今日未明にNHKで放送されたワールドカップの日本・ベルギー戦の視聴率が何と30.8%(関東地区)だった。それで官房長官の定例記者会見で、そのことを菅官房長官に質問した記者がいた。日本チームの健闘ぶりについて。さらには先に亡くなった桂歌丸さんのことも。官房長官の記者会見って、そういうことを聞く場なのだろうか。いい加減にしてはどうか。お上に何でもコメントしてもらう、つまりお言葉を頂戴するというスタイルを何とか再考して欲しいものだ。夕刻、新宿のEでHと歓談。

7月4日(水) 朝、早起きしてプールへ。いつもの半分ほど泳ぐ。体がなまっていると思う。七つ森書館から出る本の表紙に使う写真を200枚近く選ぶ作業。行方不明になって3年がすぎた安田純平さんの消息の件で連絡。夕刻、Mら。

7月5日(木) 「クレスコ」の原稿。沖縄慰霊の日の14歳少女による平和の詩のことを書く。遅れていた七つ森書館の原稿の校正作業。ワールドカップ戦で善戦した日本チームが帰国した様子をNHKがお昼のニュースで大々的に放送している。

 夜8時からカジノ法案に絡んで日弁連でこの問題を中心的に取り組んでいる新里宏二弁護士に話を聞く。新里さんとは数年前、宮城県石巻市で開かれた日弁連シンポジウムの際にお会いしていたことがわかった。僕の方の記憶の劣化がひどくて、新里さんに指摘されるやその時のいろいろな記憶が一気によみがえってきた。縁というのは不思議なもので、その時にシンポジウム会場で多少熱を帯びて議論した相手の弁護士さんが、その後、籠池泰典氏の国会喚問の際に助言者として横に座っていた弁護士の山口貴士さんだった。漫画の表現規制に関する論議だったように記憶している。

死刑執行の疑似的な生中継

7月6日(金) 自宅で朝食をとったあとにゴミ出しをして戻ってきたら、NHKで何とオウム死刑囚の麻原教祖=松本智津夫死刑囚らに死刑執行が行われたとの速報が入っているではないか。それに続いて、早川紀代秀死刑囚や、井上嘉浩死刑囚、土谷正実死刑囚らが「処刑」された情報が次々とスーパー速報で入ってきている。死刑の執行という言葉とこの情報の速報性がひどく気持ちが悪い。つまり死刑執行が疑似的な生中継のような状態になっているのだ。

 NHKの画面でみていたら、今日の午前7時すぎに東京拘置所に入っていく法務省の職員らの映像を流していた。これは大変だ。何人の刑が執行されたのだろうか。まさか13人全員ということはあるまい。結局、7人が「処刑」されたことを知る。これまでの死刑報道はすべてが「事後」の情報伝達だった。だが、今回は ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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