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安倍晋三首相(中央)らが5日夜に参加した懇親会「赤坂自民亭」の集合写真=西村康稔官房副長官のツイッターから 拡大安倍晋三首相(中央)や上川陽子法相が参加して、7月5日夜に開かれた懇親会「赤坂自民亭」=西村康稔官房副長官のツイッターから

7月10日(火) 早起きしてプールに行き、がっつり泳ぐ。このところ、公私ともにしんどい局面が続いて、泳がずにはいられない。その後、局に行き、もろもろの情報整理。

 午後、諸事打ち合わせ。ネットで、オウム死刑囚の7人死刑執行前夜、さらに西日本に豪雨の予報が出されて、京都などの住民への避難指示が出て、気象庁が「特別警報」に切り替える前夜、首相や法相、防衛相らが「赤坂自民亭」と称して衆議院議員宿舎内で宴会を開いていたことが暴露されている。テレビではTBSが今日の夕方のニュースから報じている。僕自身は、上川陽子法相がそこにいたことに衝撃を受ける。7人の死刑執行命令書に署名し、翌朝、つまり12時間後には死刑が執行される時間に、宴会で盛り上がっていたという神経が信じられないのだ。ハンナ・アーレントの「凡庸なる悪」をめぐる考察が頭をよぎるが、そんな名前を与えるほどの代物ですらないグロテスクな寒々しい空虚。

 夕刻、北海道へ。旭川在住の義父母のお見舞いのため。旧知のMと久しぶりに会う。

国立公園で静寂を破るドローンの雑音

7月11日(水) 午前中、入院中の義母のお見舞い。こちらからの問いかけにかすかに反応するが、意思表示はできない。その後、神楽にある三浦綾子記念文学館に立ち寄る。夕刻、義父らと食事。沖縄タイムス社からの本の原稿の細かな校正作業。テレビのニュースで、安倍首相が西日本豪雨の被災地を慰問している映像をみた。音を消して無音でみた。

7月12日(木) 大雪山国立公園の旭岳へ。車で登山口まで行けて、さらにロープウェイで中腹まで行けるのだから便利なものだ。大勢の観光客が訪れている。なかでも中国からの観光客が多い。その中国からの観光客のなかに、非常識にもドローンを飛ばして自分たちの記念撮影をしているグループがいた。3世代の家族づれ7、8人のグループだ。飛ばしているのは20代の若いパパといった感じの青年だった。観光する自分たちを高い場所のドローンから撮っているのだった。無邪気なもんだ。国立公園で、ドローンの持ち込みは禁じられているのだが、あまりにも堂々とやっているので、皆も注意しそびれているのだ。ドローンの出す雑音が静寂を破っている。すると中年の男性が一人駆け寄って行って、英語で「ドローンの撮影は禁止されている」と相手に伝えていた。先方もそれを聞き入れて撤収していた。足元に高山植物が綺麗に咲いていた。何だか心身ともに疲れていることを実感する。

番組休止、情けなさと悔しさで……

7月13日(金) 朝一番の便で東京に戻る。とんでもない蒸し暑さ。何と旭川は過ごしやすい天気だったことか。西日本豪雨で最初の「特別警報」が出てから今日でちょうど1週間になる。被害に遭った広島、岡山などは35度を超える猛暑になっている。自然はあまりにも無慈悲で過酷だ。愛媛の被災地からリポートしていた女性記者は、酷暑のなか、ジャンパーとヘルメットを着用していた。若干の違和感。現場の記者が現場の判断でどのような衣服が適切かを判断すべきではないか。

 午後、上京した沖縄タイムスの担当者と打ち合わせ。過去の不愉快な記憶がよみがえる。出来事は繰り返される。一度目の悲劇は二度目には喜劇として。

 気象庁が緊急に記者会見し、猛暑について注意喚起。夕方から神保町で打ち合わせ。オウム死刑囚の7人執行や、西日本豪雨被害をめぐって。7月5日の夜の「赤坂自民亭」宴会の件が、なかなかテレビでは報じられなかったことが話題になる。だがその宴会直後、首相は番記者のぶら下がり取材に応じてこう言っていたのだ。「和気あいあいでよかったよ」。それ以上 ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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