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支持率1%!残念な野党の重要な役割

選択肢のなさが支える安倍支持率。カギを握る保守層を取り込める国民民主党の今後

高橋茂 ネット選挙コンサルタント

 国民民主党の共同代表の玉木雄一郎衆議院議員は、党の独自性を出すため、与党との「対決」を前提とした国会運営ではなく、議論を尽くしてより良い「解決」に向けて進めることを主張している。これは、昨秋、分裂した民進党の中でも、より現実路線を取ろうとした長島昭久氏や細野豪志氏らに近い考え方だ。長島氏も細野氏も国民民主党に参加しなかったというのは皮肉な現実ではあるが、それでも玉木氏は議論を尽くす現実路線が最善だと考えている。

 これに対して、野党共闘を進めることを前提に、立憲民主党他の野党とも連携し、与党と対決していくべきだと考える議員もいる。国民民主党の前身である希望の党や民進党を想起すれば、そのような構成になるのもうなづける。

 野党共闘を重視し、与党との対決路線で行くべきだと考える議員は、将来的には立憲民主党との合流を目指しているのかもしれない。しかし、立憲民主党の支持率が決して上昇機運にないことを考えると、それが最善なのか疑問は残る。今のままでは、保守層の取り込みは覚束(おぼつか)ない。

熟議を通してよりよい法案に

 先日(7月25日)、私は自分が配信しているネット番組『ヨロンブス』で、国民民主党共同代表の大塚耕平参議院議員と対談した。「国民民主党というのは、何を目指す政党なんですか」と質問をなげかけると、次のように答えた。

 「国民民主党は『改革中道政党』であって、『正直な政治、偏らない政治、現実的な政治』を目指します。政策を進める『お作法』が大事なんです」

 つまり、たとえ与党案であっても、「否定から入らず、現実を見据えた上で、決められた時間内で十分に議論を重ね、決まったことには従い、権力は抑制的に運営する」という民主主義そのものを目指すというのだ。

 ある程度政治を知っている人であれば、「それは理想であって、現実には難しいことだよ」と言うだろう。前の国会で焦点となったIR法案を見ても、働き方改革法案を見ても、政府側に熟議を重ねる姿勢がないのは明白であり、そのうえで民主主義の理想を追うのは困難かもしれない。また、国民側にこうした路線を理解できるだけの度量があるかというと、いささか心もとない。

 大塚氏は、「国民民主党がIR法案に賛成したという誤報が流れましたけど、我々は働き方改革法案もIR法案も反対しているんですよ。そのうえで働き方改革で47項目、IR法案で31項目の附帯決議を入れて縛りを付けているんです。これだけ附帯決議を付けるということは、別の法案を作るのに等しいんです」と語った。

 現在の国会の構成からすると、政府与党案が賛成多数で可決されるのは厳然たる事実だる。多くの法案の中には、ロクに議論をされずに通るものもあるだろう。

 ただ、とりわけ今後の国民生活に大きく関わってくるような法案については、政府与党案がほとんど修正のないまま通ってしまうのは危険である。日本がほんとうに民主主義国家というのであれば、熟議を通して、法案はより良いものにする努力が必要ではないだろうか。

ネット番組「ヨロンブス」で語る国民民主党共同代表の大塚耕平参議院議員拡大ネット番組「ヨロンブス」で語る国民民主党共同代表の大塚耕平参議院議員

選択肢のなさが支える安倍支持率

 現在の安倍晋三内閣支持者に支持の理由を聞くと、「他に任せられる政権がないから」という答えが半数近くある。森友・加計学園問題など、これまでなら内閣が吹っ飛びかねない大きな「不祥事」が続いても、安倍内閣が高い支持率を維持できるのは、「他に選択肢が見えない」からに他ならない。もし別の選択肢があれば、支持率が15~20%程度になってしまうのではないか。

 国民民主党が、大塚氏や玉木氏らの目指す政党として活動し、それが国民にも伝わるようになれば、保守層の中に国民民主党の支持にまわる人も出てくるだろう。難しいのは、その大前提として「国民に伝わる」ことが不可欠である点である。

 世間を見渡すと、「国民民主党は第二自民党のようになる」と言う人が少なからず存在する。議論のプロセスが可視化され、広く示されなければ、結果だけを見て、マスメディアまでもが「国民民主党は政府案に賛成した」と報道するおそれがある。要するに、「わかってもらってなんぼ」なのだ。

望ましい野党のあり方とは


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筆者

高橋茂

高橋茂(たかはし・しげる) ネット選挙コンサルタント

1960年生まれ。2000年の長野県知事選挙をきっかけに、電子楽器の開発エンジニアから政治におけるインターネット活用のスペシャリストとなる。映像制作やドローン活用、政治家向けの自費出版事業にも取り組む。著書に『マスコミが伝えないネット選挙の真相』(双葉社)、『電網参謀』(第一書林)など。、株式会社VoiceJapan代表取締役。