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ねぶたの前で乱舞するハネト=青森市拡大ねぶたの前で乱舞する「ハネト」=青森市 撮影・朝日新聞社

7月31日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。何事も思うようには進まず、お互いに理解しあうことは容易にはいかないものだ。沖縄県の知事公室長と連絡。明日午前、取材で会うことに。ところが那覇への飛行機便が滅茶苦茶に混んでいて空席待ちするしかない。

 午後5時から九段下のしょうけい館で、歴史家、ノンフィクション作家の保阪正康さんにインタビュー。今年の終戦特集の関連。戦争と記録。敗戦間際、日本政府や軍、民間に至るまで、僕ら日本人は、公文書や「証拠」を破棄・隠滅しまくった。保阪さんによれば、それは後続世代に対する侮辱だと。同じことが今現在も繰り返されていて、しかもそれを自浄する能力がない。結局、日本は1945年8月15日の前と後とでは全く生まれ変わってなどいないのではないか。大逆事件の関係資料をKさんに問い合わせてみる。

人間は限りなくロボットに近づくのか

8月1日(水) 朝からポレポレ東中野で、三上智恵、大矢英代共同監督の作品『沖縄スパイ戦史』をみて上映後にトークショー(三上&大矢)に参加させていただく。三上さん、大矢さんともに今この作品の上映で全国を精力的に駆け回っている。この作品、今日も含めて僕はこれまでに3回みたが、見れば見るほどいいと思うようになった。今では構成も実に頭にすんなりと入ってきて、少年ゲリラ部隊の「護郷隊」パート、波照間島民などの強制移住によるマラリア禍の悲劇パート、それに沖縄住民をスパイ視する軍機保護法と現在との連続性のパートの3つの関係がよく理解できた。

 そのまま、同じポレポレ東中野でパリ在住の渡辺謙一監督の『国家主義の誘惑』上映後のトークショーにも参加。こちらの方は作品のなかにも出演させていただいた。渡辺監督のインタビューを受けたのは、去年の夏のことだ。天皇の生前退位発言報道のあとのタイミングだった。日本の全体状況はあれからもっと取り返しのつかない方向に向かっているのではないか。少し喋り過ぎたかな。

 「週刊現代」のコラム原稿。オウム死刑囚の執行をめぐるメディアの動きと、死刑執行をめぐる作家・村上春樹、辺見庸の主張などについても触れる。夕方発の便で沖縄の那覇へ。その後、沖縄地元メディアの方々と交流。

8月2日(木) 朝10時、沖縄県庁で取材。かなり濃密な話。翁長雄志知事がまた体調を崩して病院に入っているとのこと。対財務省の予算折衝は謝花喜一郎副知事が上京してその任にあたっているとのこと。その他の公務のスケジュールは全部キャンセル。重要な決裁書類は岸本義一郎秘書が本人のもとに届けているとのことだ。那覇の方が東京よりもずっと涼しい。

 その後、ホテルに戻って「クレスコ」用の原稿。人はなぜ学校に行くのかという素朴な問いについて書く。午後、那覇在住の高里鈴代さんに話をうかがう。1995年のあの事件のこと。あの時何をしたか。そもそもジェンダーの問題に関心をもったきっかけは? 留学先のフィリピンの基地周辺の街の風景が沖縄と重なって見えたとのこと。今後の県政の動向について。ずばり県知事選挙の件など。夜、沖縄在住のジャーナリストKさんと、翁長知事の辺野古埋め立て承認「撤回」表明後の政治状況について意見交換。「オール沖縄」にもなかなか光がみえないとの点で意見が一致。韓国の光州に行くプランについて、検討してみるに値すると思う。

8月3日(金) 韓国映画『1987、ある闘いの真実』のパンフレット用の文章を書く。この映画は僕ら日本のテレビジャーナリストにとっては、実に刺激的な作品だ。

 14時30分発の那覇発便で羽田へ戻る。「生産性」をめぐる言説。生産性向上国民運動推進協議会という内閣府直属の組織がある。 ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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