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田中均氏が問う自民党総裁選

日本社会を覆うガバナンスの崩壊。権力者の選び方、チェックの仕方を見直したい

田中均 (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

拡大田中均・元外務審議官

ガバナンスが問われている

 最近マスメディアを賑わしてきた事件の多くには、今日の日本社会を覆う共通の病根があるような気がしてならない。森友・加計問題に始まり、財務次官のセクハラ問題、日大アメフト事件、東京医大贈収賄事件そして日本ボクシング連盟問題。何が共通の病根なのだろうか。

 われわれの社会では、組織の長は優れた資質を持つ者として民主的に任じられているはずだという前提がある。しかし、どの事件をとっても、程度の差はあれ、組織で圧倒的な力を持った人物が権力を私物化する、原理原則を無視して強権を行使する、あるいは、周りの人々が忖度をしだすといった現象を生み出している。

 どの国でも、どの時代でも、権力は傲慢になり、強権的に行動する傾向を持ってきた。民主主義社会ではそれを防ぐため、自浄作用が働くよう手続きが整備されてきた。そのような手続きは「説明責任」や「透明性」といった基本原則に支えられている。ところがいずれのケースにおいても、手続きが十分機能し、透明性や説明責任の原則が守られたとは考え難い。

 問われているのは、組織の「ガバナンス」だろうし、問題となった人物が辞めることで一件落着となるのではなく、ガバナンスを正していく努力が求められる。おそらく、ガバナンスの問題は、十分な資質を持った人を組織の長に選ぶ事が出来ているのか、及び、権力を恣意的に使わないようにチェックすることが出来ているのか、という二つの課題に集約されるのだろう。

 とりわけ国家のガバナンスは重要であり、すべての組織のモデルとなる。

 その中で事実上今後3年間の首相を選ぶ自民党総裁選挙が行われるので、国家のガバナンスという見地から論点を整理してみたい。

権力者の選び方をもっと競争的に

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筆者

田中均

田中均(たなか・ひとし) (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

1969年京都大学法学部卒業後、外務省入省。北米局審議官(96-98)、在サンフランシスコ日本国総領事館総領事(98-2000)、経済局長(00-01)、アジア大洋州局長(01-02)を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、2005年8月退官。同年9月より(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー。2010年10月に(株)日本総合研究所 国際戦略研究所理事長に就任。著書に『日本外交の挑戦』(角川新書、2015年)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社、2009年)、『外交の力』(日本経済新聞出版社、2009年)など。

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