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エジルとエルドアン

ドイツのW杯惨敗で露見した民族差別問題の奥深さ

アブドゥルラッハマン ギュルべヤズ 言語学者、社会学者

拡大サッカーの世界的スター、エジル選手(左)はトルコのエルドアン大統領と一緒に写真におさまった=2018年5月13日、ロンドン(AP)

ドイツスポーツ史上最大のスキャンダル

 サッカーのドイツ代表が今夏にロシアで開かれたワールドカップ(W杯)で1次リーグ敗退を喫した後、ひとりのスター選手がドイツばかりか世界中のメディアの注目を集めている。メスト・エジルだ。

 リヴァプールFCのミッドフィールダーであるエジルはW杯開催前の5月13日夕、自分と同じようにドイツから英国にわたりプレミアリーグで活躍しているほかの二人の選手と一緒に、ロンドンを訪問していたトルコ大統領のエルドアンに招待され、フォーシーズンズホテルで写真撮影に臨んだ。

 この写真は瞬く間にインターネットで拡散し、ドイツスポーツ史上最大のスキャンダルに発展したのである。

 エルドアンと並んでポーズしたサッカー選手たちの共通点は、三人ともいわゆる「新ドイツ人」であることだ。彼らはトルコからドイツへやってきた移民労働者の子として生まれ、ドイツで学校教育を受け、プロサッカー選手となり、スターにのぼりつめた。エジルともう一人は、ドイツ代表チームのメンバーであった。

 二人はドイツのメルケル首相を含む政治家やスポーツ界の有名人から批判を受けた。

ドイツとトルコの密接な歴史

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筆者

アブドゥルラッハマン ギュルべヤズ

アブドゥルラッハマン ギュルべヤズ(Abdurrahman Gülbeyaz) 言語学者、社会学者

1962年、トルコ・イスケンデルン生まれ。トルコのガージ大学、ボスフオラス大学、ドイツのハンブルグ大学で言語学、音楽学、医療社会学を専攻。大阪大学人間科学研究科で「言語と音楽における意味:言語行為と音楽行為における変形過程」で博士号取得。主な研究分野は記号論、言語学、社会学、哲学。ドイツ・ハンブルク在住。

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