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中島岳志の「自民党を読む」(1)石破茂

安倍首相に対抗するには夫婦別姓やLGBTなど価値観の問題で姿勢を鮮明にすべきだ

中島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授

拡大自民党の石破茂元幹事長=2018年8月10日、東京・永田町
 さて、第1回目に取り上げるのは、総裁選を戦っている石破茂さんです。

 石破さんは、かつて防衛庁長官・防衛大臣を長く務めていたため、「防衛・安全保障」の専門家というイメージが定着しています。彼が憲法9条の改正論者であることは、ある程度知られていると思いますが、それ以外の政策やヴィジョンとなると、あまりよく知らないというのが実情ではないでしょうか。

 そもそも石破さんは農林水産大臣も務めたことのある農水族です。また、第2次安倍内閣で地方創生担当大臣をつとめたことから、近年は地方の活性化問題についての発言が多くなっています。

 そんな石破さんですが、国会議員としてはかなり多くの著書・対談本を出している議員と言えます。ざっと私の本棚を見てみても単著9冊、対談本・共著が9冊あります。私が買いそびれている本もあるかも知れません。これだけの量の本を出しているのは、政界でトップクラスといえるでしょう。

【単著】
① 『職業政治の復権―混迷からの脱出 それは無党派層がめざめるとき』(1995年、サンド ケー出版局)② 『国防』(2005年、新潮社)③ 『国防入門』(漫画・原望、2007年、あおば出版)④ 『国難―政治に幻想はいらない―』(2012年、新潮社)⑤ 『真・政治力』(2013年、ワニブックス)⑥ 『日本を、取り戻す。憲法を、取り戻す。』(2013年、PHP研究所)⑦ 『日本人のための「集団的自衛権」入門』(2014年、新潮新書)⑧ 『日本列島創生論』(2017年、新潮新書)⑨ 『政策至上主義』(2018年、新潮新書)
【対談本・共著】
⑩ 『坐シテ死セズ』(西尾幹二共著、2003年、恒文社21)
⑪ 『軍事を知らずして平和を語るな』(清谷信一共著、2006年、KKベストセラーズ)
⑫ 『国防の論点―日本人が知らない本当の国家危機』(森本敏・長島昭久共著、2007年、PHP研究所)
⑬ 『日本の戦争と平和』(小川和久共著、2009年、ビジネス社)
⑭ 『こんな日本をつくりたい』(宇野常寛共著、2012年、太田出版)
⑮ 『国防軍とは何か』(森本敏・西修共著、2013年、幻冬舎)
⑯ 『どうする?どうなる?ニッポンの大問題』(弘兼憲史共著、2017年、ワニブックス)
⑰ 『石破茂と水月会の日本創生』(新講社、2018年)
⑱ 『石破茂の「頭の中」』(鈴木哲夫著、ブックマン社、2018年)

 この中で、石破さんの考え方全般を知るには、⑭『こんな日本をつくりたい』(宇野常寛共著、2012年、太田出版)がお勧めです。評論家の宇野常寛さんの多方面からの問いに対して、石破さんが率直に自らの理念や立場を語っています。

 石破さんの安全保障論は、⑦『日本人のための「集団的自衛権」入門』(2014年、新潮新書)がコンパクトでまとまっています。地方創生の具体的施策については、⑧『日本列島創生論』(2017年、新潮新書)が読みやすく、石破さんの政治家としての歩みを知るためには、⑱鈴木哲夫『石破茂の「頭の中」』(ブックマン社、2018年)が適しています。

「小さな政府」論者

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筆者

中島岳志

中島岳志(なかじま・たけし) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授

1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科でインド政治を研究し、2002年に『ヒンドゥー・ナショナリズム』(中公新書ラクレ)を出版。また、近代における日本とアジアの関わりを研究し、2005年『中村屋のボース』(白水社)を出版。大仏次郎論壇賞、アジア太平洋賞大賞を受賞する。学術博士(地域研究)。著書に『ナショナリズムと宗教』(春風社)、『パール判事』(白水社)、『秋葉原事件』(朝日新聞出版)、『「リベラル保守」宣言』(新潮社)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『岩波茂雄』(岩波書店)、『アジア主義』(潮出版)、『下中彌三郎』(平凡社)、『親鸞と日本主義』(新潮選書)、『保守と立憲』(スタンドブックス)、『超国家主義』(筑摩書房)などがある。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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