三輪さち子(みわ・さちこ) 朝日新聞記者
2006年、朝日新聞社に入る。横浜、徳島総局を経て2011年から政治部。民主党政権では事業仕分け、自民党政権では自民党幹事長番、防衛省などを担当。2017年から世論調査部。オピニオン編集部を兼務。関心のあるテーマは虐待・貧困などの「子どもをめぐる問題と政治」。趣味はカバン作り。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
あなたの政治信条は「対等な日米同盟」のはず。それを訴えるのが「正直」な政治です
石破氏は「正直、公正」を自分の政治信条だと訴えている。しかし、「正直、公正」で何を成し遂げたいのか。そもそも本当に自分自身に「正直、公正」なのか。
それを直に確かめたくて、8月27日と31日、石破氏の記者会見へ向かった。石破氏は「正直、公正、石破茂」と書かれたボードの前に立っていた。
このキャッチコピーは自民党内で「安倍首相への個人攻撃だからやめろ」と反発を受けたものである。石破氏は会見で「正直、公正のキャッチコピーは封印しないのか」と聞かれ、こう答えた。
「自らはそうありたいということなのであって、人を批判するものではない」
安倍首相を批判するために「正直、公正」を掲げたのではなく、「もともと自分の政治信条だ」と言いたいようだった。
煮え切らない答えにがっかりし、私は言葉を探した。
あなたは「正直、公正」のために、政治家になったのですか!
本当にやりたいことは、別にあるのではないですか!!
それを全面に出していないから、迫力に欠けるのではないですか!!!
質問しようと思ったが、できなかった。石破氏と今の番記者の間で個別の政策テーマに関する質問が相次いでいる。永田町取材の最前線から離れている元番記者の私が割り込んで石破氏の根本的な政治姿勢を問いただす空気ではなかった。
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