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流行する「GHQによる洗脳」論の危うさ

保守系言論人によって関係書籍の出版が相次いでいる「WGIP」とは何か?

早川タダノリ 編集者

 ケント氏はいまや右派業界の人気者だ。『正論』『WiLL』『月刊Hanada』などの保守系雑誌に毎月のように登場。往年のTV番組「世界まるごとHOWマッチ」ではにかんだ表情をみせていた若手弁護士は、2000年代にいったんマスコミから姿を消したものの、2015年を境に「ベストセラー」を連発する売れっ子として復活を遂げた。

 彼の出版目録を作ってみると、2015年=5点、2016年=6点だったのが、2017年=15点(対談含む)、2018年9月現在=10点(刊行予定含む)と推移している。2017年の15点というのは、私などにはとても真似できない驚異の数字だ。

拡大旧第一生命館に残るGHQのマッカーサー最高司令官が使った執務室=2015年6月、東京都千代田区

 先に挙げた『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』以来、彼の著作群に一貫しているのが、「WGIPで日本人は洗脳された」史観だ。

 そもそもこの「WGIP」言説は、

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筆者

早川タダノリ

早川タダノリ(はやかわ・ただのり) 編集者

1974年生まれ。国民統合の技術としての各種イデオロギーに関心を持ち、戦前・戦時の大衆雑誌や政府によるプロパガンダ類をはじめ、現代の「日本スゴイ」本などを蒐集。著書に『神国日本のトンデモ決戦生活』(ちくま文庫)、『「愛国」の技法――神国日本の愛のかたち』『「日本スゴイ」のディストピア――戦時下自画自賛の系譜』(ともに青弓社)、『原発ユートピア日本』(合同出版)、『憎悪の広告――右派系オピニオン誌「愛国」「嫌中・嫌韓」の系譜』(合同出版、能川元一氏と共著)、『まぼろしの「日本的家族」』(青弓社、編著)などがある。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです