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喜界島に生まれて(4)英語より大切なもの

ウガンダ人と同居を始めた筆者。国連事務所で言葉の壁にぶつかり、英語漬けの日々…

住岡尚紀 明治学院大学生

 

拡大子どもたちがカメラに興味を示したので撮影した写真を見せた=ウガンダの首都カンパラで

(前回までのあらすじ)喜界島から世界へ羽ばたくことを目指して上京した少年は、英語力や海外経験の乏しさに引け目を感じていた。勇気を振り絞って国連ユースボランティアに応募。幸運にも助けられ、有名大学の海外留学経験者らに負けずに選抜され、ウガンダの国連事務所で働くことになる。そこで待ち受けていたのは…

いざウガンダへ…こみ上げる不安

 ついにこの日がやってきた。ウガンダへ旅立つ日だ。

 周りの人たちに「アフリカへ行くんだ」と言うと、「え? アフリカ?」と聞き返され、そのあと必ず「貧困」「治安」というキーワードが出てくる。その話を聞くたびに、インターネットで調べたことや、人に聞いた情報を頼りに、アフリカでの生活を無理やり想像し、頭の中で繰り返しシミュレーションをして、不安をかき消そうとする。それがかえって不安をかき立てる。

 ほんとうに、行くんだ。

 見送りにきた友達たちに背を向けて、搭乗口に入っていく。もう1日だけでいい、数時間でもいいから、東京にとどまっていたい。情けないことに、そんな気持ちがこみ上げてくる。

 それでも飛行機は定刻通りに飛び立ったのだった。

ウガンダは雨だった


筆者

住岡尚紀

住岡尚紀(すみおか・なおき) 明治学院大学生

1995年喜界島生まれ。鹿児島県立喜界高校を卒業後、明治学院大学に入学。2015年に国連ユースボランティアでウガンダ共和国のUNDPに派遣。2016年、内閣府次世代グローバル事業世界青年の船に参加。バイトを4つ掛け持ちしながら俳優業にも挑戦中。中高の社会科と英語科の免許取得を目指し在学中。将来の夢は「島と世界を繋ぐジャーナリスト」。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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