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29時間で身につく「にわか韓国語講座」(2)

第1章 日本語からのアプローチ 1.発音がカタカナ表記できる

市川速水 朝日新聞編集委員

 さて、日本語からのアプローチがなぜ有効なのかという理由です。

 名詞や形容詞、人名でも地名でも、口の形を変に「よそ行き外国語風」に緊張させなくても、カタカナを言うつもりで通じます。書かれたカタカナをそのまま読めば、それなりに通じるのです。「この人外国人だなあ」「発音うまくないな」と思われても気にしないことにしましょう。

 中国語は四声があり、独特な口や舌の形が必要です。英語も一つ一つ単語とアクセント、「the」「RとLの違い」など日本語にない発音を覚えるのが大変です。

 韓国語には、それほどの違いはありません。母音も子音も、日本語の「50音」よりは多いのですが、すべてカタカナで表記することが可能です。それが通じます。

 より正確には「タ」、破裂させるような「ッタ」、喉から絞り出すような「タ」と違ったりするのですが、表記、発音とも「タ」で許容範囲です(このくだりはプロの先生が見たらムっとするでしょう。でも韓国で実験済みです)

 早速マーケット(市場、シジャン、シジャング、시장)に行って「まけてください」「安くしてください」と言う意味で「チョグム サゲ ヘジュセヨ(조금 싸게 해주세요)」とカタカナで言ってみてください。ほら通じるでしょう? ただし、「イエー(예)」(「はい」「イエス」の意味)「OK」と言われた時はラッキーですが、「ダメだよ」「いくらまでなら下げるよ」と言われてしまうかもしれません。その時の返答は別途、勉強しましょう。

ちょっと寄り道① 「鼻血」の恐怖
 外国語の勉強で、最も気になるのは日本語にない発音ですよね。上達しょうと思えばきりがありません。日本語と同じ発音で足りる外国語は一つもないというのが常識でしょう。韓国語がカタカナをそのまま読んでも通じるという「通じる」は、「正しい」こととは違いますので、その点は誤解のないように。
 私の場合、発音の勉強中に「コーヒーと鼻血は発音が似ているから気をつけるように」と何度か言われました。どちらもカタカナでは「コピ」だからです。「やくそくごと」で言っても、どちらも「ツコツピ」です。「コ」の口の開け方が、コーヒーの方がややあいまいという違い程度で、発音し分けるのは難しいのです。
 実際言ってみるまで、間違ったらどうしようとびくびくしていたのですが、すぐ気付きました。カフェで「コピ」の発音が違っていたって、何も鼻血が出てくるわけでもない。逆に病院でもそうです。だいたいは「コーヒーください」とか「コーヒー一杯」とか言うし、医者の前で「コーヒーが出て止まりません」などと言うわけはありません。言葉には、その語を発する「状況」があるのです。試しにカタカナで「コピ」と言ってみてください。どちらでも通じます(韓国で実践済み)。でも、外国語で難しいのは、その状況が「対話」に展開していくことです。「はい、コーヒー一杯ですね。テイクアウトですか? 砂糖とミルクは? 4000ウォンです」と矢継ぎ早に会話が続きます。それに答えることができないと美味しいコーヒーは飲めませんね。なお、コーヒーは簡単でも、カフェラテとかモカ、韓国茶とか、バリエーションを求めようとすれば多少の慣れが必要です。

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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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