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沖縄県知事選への出馬を表明する玉城デニー氏拡大沖縄県知事選への出馬を表明した玉城デニー氏

8月28日(火) 午前中、局で「報道特集」の定例会議。今週、沖縄県知事選挙のことをまとめてみようかという話も。と言うのも、あした玉城デ二―氏の正式出馬会見が予定されているので。実質的に一騎打ちの構図が固まり選挙戦が始まるからだ。それにともない今週、沖縄では、県の辺野古埋め立て申請承認「撤回」など、さまざまな動きがあるだろう。やる手もある。となれば、いろいろと準備をしなければならない。一番困ったのは、沖縄からの帰りの便が満席ですべて空席待ちになっていることだ。

 14時、千代田区神田界隈の某所で筋を通す話。一旦局に戻ってから新宿駅南口でウィーン、プラハ行きの件で打ち合わせ。M氏、O氏、小森陽一氏。その後、新宿3丁目の沖縄居酒屋でT氏と話をする。人は会いたいと熱心に念じると会えるものだ。映画『テル・ミー・ライズ』のなかの役者の独白。やっぱり、すごいや、何度聴いても。

 私は暴力革命を信じる
 でも暴力的社会においてのみだ
 私は中国の革命を信じる
 でも尼僧を蹴ることはできない
 私は南米の革命を信じる
 でも妹は撃つことはできない
 私はイギリスにおいても革命があり得ると信じる
 でも銃は必要ない
 私にはどうでもいい
 私の生活圏以外のことには興味がない
 ベトナム戦争の影響で私も死にかねないかは心配だ
 でも隣人のことはどうでもいい
 私は理屈を並べるのが好きだ
 ものごとをゆがめられるから
 私は怒りを感じるのが好きだ
 関わっている気になれるから
 私はイギリスにいるのが好きだ
 簡単に忘れられるから
 簡単なのはうれしい (映画のスクリプトから一部変更)

出馬会見でマイクが…

8月29日(水) 朝、テレビをつけると大阪富田林の容疑者逃走のことを延々とやっている。うーん。「毎日新聞」のコラム原稿。自民総裁選、安倍氏出馬表明のNHKミニ特番への違和感について書く。沖縄取材が入ったので種々の予定をキャンセル。1年に1度の青林工藝舎の会は出たかったがやむを得ない。

 午前10時45分発の便で那覇へ。13時25分那覇着。ホテルにチェックインしてから、Rディレクター、サットのカメラクルーとドッキングして、玉城デ二―氏が出馬会見を行う那覇市大道の沖縄ホテルへ。あれっ?と思ったら、何と故翁長雄志知事の実家のすぐ近くの、古いこじんまりとしたあのホテルなのだった。

 午後4時過ぎ。会場には支持者たちが大集合していて、それと相対する形でメディアが陣取っている。支持者たちの最前列の顔ぶれが何かを確実に物語っている。向かって右から山内末子元県議、謝花喜一郎副知事、翁長雄治(知事の次男)、玉城デ二―氏本人、デニー夫人、呉屋守将金秀グループ会長、城間幹子那覇市長、稲嶺進前名護市長。辛うじて「オール沖縄」の枠組みは保たれているようにもみえる。

 デニー氏の前には報道各社のマイクが林立している。記者会見が始まった。ハイサイ、グースヨー……ところが、だ。音がオフだ。デニー氏の会場マイクが設置されていなかったのだ。驚き。会場設営の人がデニー氏のマイクを設置するのを忘れていたのか、あるいはそんな余裕もなかったほどバタバタしていたのか。司会者のマイクはしっかりと入っていたのだから、始末が悪い。慌てて誰かがハンドマイクを持ってきて会見が始まった。組織としての土台というか、誰もこういう会場設営とかの仕事を自分たちの仕事だと認識していないという指揮命令系統の欠如。この感覚は名護市長選挙の稲嶺陣営の選挙運動の時も感じた。「オール沖縄」は横に水平的な組織なので、組織的な縦の動きが本当に苦手なのだろう。それで実際の選挙運動が後手後手に回る傾向がある。

 「埋め立て承認の撤回を全面的に支持します。翁長知事の遺志を貫徹する立場であることを表明します」。デニー氏のメッセージは明瞭だった。会見後にデニー氏らは呉屋氏、雄治氏らと一緒に翁長邸まで歩いて訪ねて翁長さんの霊前で出馬を報告していた。今日の出馬会見に謝花副知事が出席していた意味は大きいと思う。

 その後、佐喜眞淳陣営の糸満選挙事務所の開所集会へと向かう。そこへ向かう車のなかで携帯電話を忘れてきたことに気づく。何やってんだか。記者会見会場に急いで一人で戻ったら、壁際にあった! よかった。その後、糸満の会場にタクシーで向かう。立っている人も含めて聴衆は100人くらいいたか。「県政を奪還しない限り沖縄県に未来はない。県民本位の政府との対話、信頼関係がない限り次の振興計画はうまくいいかない」と佐喜眞氏は訴えていた。

「あんまあ」と「おっ母」

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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