住岡尚紀(すみおか・なおき) 明治学院大学生
1995年喜界島生まれ。鹿児島県立喜界高校を卒業後、明治学院大学に入学。2015年に国連ユースボランティアでウガンダ共和国のUNDPに派遣。2016年、内閣府次世代グローバル事業世界青年の船に参加。バイトを4つ掛け持ちしながら俳優業にも挑戦中。中高の社会科と英語科の免許取得を目指し在学中。将来の夢は「島と世界を繋ぐジャーナリスト」。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ウガンダと喜界島には共通点が多かった。風景も踊りも人々の気質も。なぜだ?
(前回までのあらすじ)鹿児島の南380kmに浮かぶ喜界島で育った少年は世界へ羽ばたくことを夢見て上京する。無味乾燥な都会生活で初心を忘れそうになりつつも、ウガンダの国連事務所で働く好機をつかみ取る。ウガンダでは英語に苦しみつつも、現地の暮らしに溶け込んでいく。そこから見えてきたのは――
日差しは強烈だが、日陰では心地良いそよ風に包まれる。
降り注ぐ陽光とたっぷりの雨で育つバナナやマンゴー、隆々とそびえ立つガジュマル、そして青空の下で緑の葉を広げる一面のサトウキビ畑。
ウガンダの光景は、喜界島そのものだった。ほかにも、島で見かける植物にたくさん出会うことができた。
人々の暮らしぶりも島の人たちとどこか似ている。とくに時間感覚だ。
喜界島でそれは「島時間」と呼ばれているが(沖縄や奄美の他の島では「ウチナータイム」と言うようだ)、ウガンダでは「アフリカンタイム」と呼ばれている。
高校生まで暮らしていた喜界島では、友達と待ち合わせた時間になってようやく「そろそろ行くか」と家を出ていた。大学進学で上京した後は、友達と会うにもバイトに行くにも電車の時間を綿密に調べ、遅延する可能性も考慮して早めに出るようになった。僕にはこれがとてもストレスだった。
「アフリカンタイム」は国際事務所も例外ではない。大雨が降ると「止むまで自宅待機」という連絡が入った。上司に「雨でも行けます」と言うと、「スミ! 雨の日は休むんだよ。This is African timeさ、ハハ」と笑われた。