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憲法9条、国民投票で真に問うべきこと(上)

安倍首相は総裁選に勝ち、改憲へ動く。その前にここだけは確認しておきたい

石川智也 朝日新聞記者

拡大憲法改正を求める集会で流れた安倍首相のビデオメッセージ=2017年5月3日、東京都千代田区

新聞各社のスタンスを映し出した総裁選紙面

 消化試合のような自民党総裁選で安倍晋三首相が勝利した翌日9月21日の朝刊各紙は、それぞれの憲法改正へのスタンスの違いをみごとに物語っていた。

 在京紙のうち改憲を1面で見出しにとったのは毎日、読売、日経、東京の4紙。読売は「憲法改正、改めて意欲」といつもどおり政権の後押しが勇ましく、毎日と日経は「『次の国会に改憲案』」「『改憲に挑戦』」と首相発言のカギカッコ引用で客観に徹している。政権に批判的な東京は大きく「改憲加速」と打ち、コア読者は相当に危機感を煽られたことだろう。

 朝日は1面では「圧勝できず」「石破氏善戦」という見出しどおりのトーンを前面に出し、改憲については2面で「さらに視界不良」として、本文も「来夏の参院選前に発議できる環境にはない」との観測を繰り返した(いずれも東京本社発行最終版より)。

 見立てとしてどれが正しいのかはともかく、認識そのものに各紙の願望や焦燥が投影されているようで、読み比べてみると非常に興味深い。

 内側の目から見れば、昨年5月に首相が改憲構想を公に示して以降、朝日の憲法報道は良くも悪くも「冷静」に推移しているように思う。報道姿勢について統一的な編集方針が示されたことはないが、一部の人たちには「首相が設けた土俵には乗らない」という意識があるようにも感じる。

「何も変わらない」を巡る空疎な応酬

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筆者

石川智也

石川智也(いしかわ・ともや) 朝日新聞記者

1998年、朝日新聞社入社。岐阜総局などを経て社会部でメディアや教育、原発など担当した後、2018年から特別報道部記者、2019年9月からデジタル研修中。慶応義塾大学SFC研究所上席所員を経て明治大学感染症情報分析センターIDIA客員研究員。著書に「それでも日本人は原発を選んだ」(朝日新聞出版、共著)等

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