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喜界島に生まれて(完)ローカルとローカルを繫ぐ

ついにウガンダを去る日。東京へ帰り、喜界島へ帰省した筆者は何を想うか。最終回。

住岡尚紀 明治学院大学生

拡大鹿児島の南380キロに浮かぶ喜界島

別れの日

 〈Expiry Date:21/02/2016〉

 僕の国連身分証には2016年2月21日までの有効期限が記されている。いよいよウガンダの国連事務所で働く最後の日だ。

 首都カンパラにあるオフィスには半年間通った。その朝、いつもの道が寂しい。建物にいた全員が仕事をストップし、外まで見送りにきてくれた。

拡大筆者がウガンダの国連事務所で働いた最終日

 思えば、生活するだけでの手一杯だった。何度も日本に帰りたいと思った。先輩たちの仕事ぶりに嫉妬することもあった。それでも最後までいられたのは彼らのおかげだ。

 二十歳だった僕に国連職員は遠い存在だった。アフリカで活躍する日本人にもたくさん出会うことができた。彼らと自分を比べて、劣等感に泣いてしまうこともあった。日本に帰ってから何をするのか、どんな人生を歩むのか、自問自答を重ねる毎日だった。

 これからも学び続け、さまざまな経験を積んで、いつかもう一度ウガンダへ戻ってきたい。

 「次こそはウガンダのために貢献できる人になって帰って来ます」と約束し、全員と握手して、僕は国連事務所を発った。


筆者

住岡尚紀

住岡尚紀(すみおか・なおき) 明治学院大学生

1995年喜界島生まれ。鹿児島県立喜界高校を卒業後、明治学院大学に入学。2015年に国連ユースボランティアでウガンダ共和国のUNDPに派遣。2016年、内閣府次世代グローバル事業世界青年の船に参加。バイトを4つ掛け持ちしながら俳優業にも挑戦中。中高の社会科と英語科の免許取得を目指し在学中。将来の夢は「島と世界を繋ぐジャーナリスト」。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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