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辺野古移設に代替案はあるか

普天間の「代替施設」ではなく「新基地」を作ろうとしている米軍

高橋 浩祐 国際ジャーナリスト

「唯一の解決策」の理由

 とはいうものの、「辺野古が唯一の解決策」と主張する内外の識者が多いのは、まぎれもない事実だ。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長で、ジョージ・W・ブッシュ政権で国家安全保障会議のアジア担当部長だったマイケル・グリーン氏は筆者の取材に対し、「玉城知事の当選は事態を多少複雑にするが、安倍政権は現行計画に自信を持っているように思える」と指摘したうえで、次のように述べた。

 「自然災害や中国、北朝鮮のミサイルの脅威のため、沖縄とその周辺に航空基地が必要だと私は考えている。普天間代替施設(FRF)はそのひとつになるだろう。もしそれが極めて困難になるのであれば、おそらく他の施設が海兵隊の航空機を受け入れることができるかもしれない。しかし、現在のところ、現行計画が依然、最も現実的なものになっている」

 また、米海兵隊の元大佐で、日本戦略研究フォーラムのグラント・ニューシャム上席研究員も筆者の取材に、「仮に辺野古案が深刻な欠陥があったとしても、日米両政府が代替案を模索するとは考えられない。辺野古案は勢いを付けてきたし、官僚がそれを推進するなかでブレーキをかけることはほとんど不可能だ。商業的利益で得をする人々がいるのは言うまでもない」と言い、「両国の官僚 は、現行案をひっくり返したり、余分な仕事が増えたりするアイデアには愕然(がくぜん)とするだろう」と語った。

 玉城知事については、「基地反対で選ばれたかつての知事のように、いったん知事職に就けば、状況がそんなに単純ではないと分かる。いずれ立場を和らげる必要が出てくるかもしれない」と述べた。

 

辺野古への基地移転で埋め立て海域を囲った護岸=2018年8月10日、沖縄県名護市拡大辺野古への基地移転で埋め立て海域を囲った護岸=2018年8月10日、沖縄県名護市

 元防衛大臣補佐官の志方俊之・帝京大学教授は筆者の取材に対し、「海兵隊は沖縄に駐留してこそ意味がある」と述べ、沖縄が持つ地政学上の優位性を強調した。「朝鮮半島や台湾海峡、尖閣諸島は、すべて沖縄から1500キロの同心円内だ。沖縄での駐留が抑止力になる」と述べた。

 キース・スタルダー米太平洋海兵隊司令官(当時)も2010年、沖縄の海兵隊が東アジア地域の緊急即応部隊であることを強調した。同司令官は「海兵隊の組織構造が海兵隊空陸任務部隊(MAGTF)であり、そこでは航空部隊と地上戦闘部隊、兵站(へいたん)部隊が一人の指揮官のもとで活動している」と指摘。「海兵隊の地上部隊は、その活動を支援するヘリコプターと常に一緒に訓練をしなければならない」と述べた。

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筆者

高橋 浩祐

高橋 浩祐(たかはし・こうすけ) 国際ジャーナリスト

英国の軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員。1993年3月慶応大学経済学部卒、2003年12月米国コロンビア大学大学院でジャーナリズム、国際関係公共政策の修士号取得。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターを歴任。朝日新聞社、ブルームバーグ・ニューズ、 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、ロイター通信で記者や編集者を務める。

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