園田耕司(そのだ・こうじ) 朝日新聞ワシントン特派員
1976年、宮崎県生まれ。早稲大学第一文学部卒。2000年、朝日新聞入社。福井、長野総局、西部報道センターを経て、2007年に政治部。首相官邸、自民党、防衛省などを担当。2015~16年、ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員。共著に「安倍政権の裏の顔『攻防 集団的自衛権』ドキュメント」(講談社)、「この国を揺るがす男 安倍晋三とは何者か」(筑摩書房)。連絡先はsonoda-k1@asahi.com
それでも共和党支持者はメディアよりもトランプ氏を支持
トランプ米大統領は10月14日放送の米CBSのインタビューで、マティス米国防長官の交代について「可能性はある」としたうえで、「彼は(野党の)民主党員みたいだ」と不満も述べた。
トランプ氏とマティス氏の不仲説はワシントン政界で以前より流れていたが、決定的な亀裂を印象づけたのがトランプ米政権の内幕本『FEAR(恐怖)』である。米紙ワシントン・ポストの名物記者ボブ・ウッドワード氏が執筆し、9月に発売された。ウッドワード氏の徹底取材のもと、北朝鮮への先制攻撃計画の策定やシリアのアサド大統領の暗殺指示など、即興的、感情的に自身の意見を主張するトランプ氏に対し、理論派で同盟重視派のマティス氏が憤りを見せる場面が描かれている。
さらに内幕本の内容が明るみに出たほぼ同じ頃、トランプ政権の幹部が米紙ニューヨーク・タイムズに匿名で論評を投稿し、トランプ氏に対して政権幹部が抱く危機感を伝えた。政権内部からの二つの深刻な批判をもとに、トランプ氏主導の国家安全保障政策が危うい綱渡りを続けている実態を明らかにしたい。
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