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険悪化する米中関係 どうする日本?

安倍訪中で関係改善に踏み出した日本にとって悩ましいアメリカの対中政策の現状

園田耕司 朝日新聞ワシントン特派員

会談を前に握手する安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席=2018年10月26日、北京の釣魚台国賓館拡大会談を前に握手する安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席=2018年10月26日、北京の釣魚台国賓館

関係改善に踏み出した日中だが

 安倍晋三首相が10月26日、中国の習近平国家主席と会談した。日本の首相の単独訪中による首脳会談は実に2011年12月の野田佳彦首相以来である。両首脳は「競争から協調」をうたっており、尖閣諸島国有化以降冷え込んでいた両国関係の改善が期待されている。

 しかし、日本が同盟関係を深化させている米国は、中国を「競争国」と位置づけ、今回日中両首脳が合意した「協調」を目指す方針とはまるで異なる国家戦略をもつ。また、ペンス米副大統領が同4日に発表したトランプ政権の対中政策では「中国は米国の民主主義に干渉している」と断じ、中国の存在を米国人の脅威だと訴えた。ペンス演説以降、ワシントン政界では米中関係を「新冷戦」と評する言葉が警戒心をもって語られるようになっている。

 本稿では、ペンス演説をもとにアメリカの対中戦略を分析するとともに、険悪化する米中関係のもとで難しいかじ取りが迫れている日本外交についても考察したい。

ロシアより中国に厳しいトランプ大統領

 安倍首相が習近平国家主席と会談した同じ10月26日の夜。米中間選挙を11月6日に控え、トランプ大統領はノースカロライナ州シャーロットで選挙集会を開いていた。この日も、トランプ氏が名指しして批判のボルテージを上げた相手は、宿敵・民主党とともに、中国だった。

 「我々は中国による独自の慣行的な貿易ルールの乱用を取り締まるため、最も厳しい対応を取ってきた。中国はアメリカから何千億ものドルを何年間も持ち出している。我々は中国の再建を手助けしてきた。でも私は『もうそれは終わりにするときだ』と言ったのだ」

 中国に対して貿易紛争を仕掛けるトランプ政権。最近は通商問題にとどまらず、政治、軍事、外交とあらゆる面で中国に対する圧力を強めている。トランプ氏の口調は、冷戦終結以来最悪の関係とも言われるロシアよりも、むしろ中国に対して厳しさが目立つ。

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筆者

園田耕司

園田耕司(そのだ・こうじ) 朝日新聞ワシントン特派員

1976年、宮崎県生まれ。早稲大学第一文学部卒。2000年、朝日新聞入社。福井、長野総局、西部報道センターを経て、2007年に政治部。首相官邸、自民党、防衛省などを担当。2015~16年、ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員。共著に「安倍政権の裏の顔『攻防 集団的自衛権』ドキュメント」(講談社)、「この国を揺るがす男 安倍晋三とは何者か」(筑摩書房)。連絡先はsonoda-k1@asahi.com

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