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アートとは生き方である

10月18日(木) 朝、早起きして「週刊現代」のコラム原稿を書く。そのまま日吉経由で新宿3丁目に出て、K's cinemaという映画館で、岩名雅記さんの映画『シャルロット すさび』をみる。何とも形容しがたい。ここまで無防備な自意識の表出は、ほとんど個人映画というか。何だか大昔の金井勝の映画のテイストみたいなものを感じた。つまり時間が停止したかの如く60年代的なのだ。うむ。

 同業者のあいだでも強い批判が出ているフジテレビの『タイキョの瞬間!密着24時~出て行ってもらいます!』のDVDをSさんから借り受ける。

 森美術館で開催中の『カタストロフと美術のちから』。強い衝撃を受けた。当時は正直、強い反発を抱いていたChim↑Pomの福島第一原発事故直後(2011年3月19日撮影)のパフォーマンス映像は、それこそ「美術という行為とは何か」「美術のちからとは何か」という根源的な問いを突きつけてくる。この展示会場に掲げられていたスローガンのひとつに<アートで何ができるか?ではなく アートで何をするか!である。>とあった。畠山直哉の写真や池田学の作品、アイザック・ジュリアンの『プレイタイム』にも引きこまれた。アートとは生き方である。だから今日は1日中、アートに浸ることにした。

 19時30分から吉祥寺で本当に久しぶりに「渋さ知らズ」。予想に反してお客さんが少ない。1階のフロアでいきなり不破大輔さんたちが車座を組んで酒盛りのようなものをやっているではないか。僕は2階バルコニーの最前列の席に陣取った。オールスタンディングの1階はちょっと今日は僕にはしんどい。いろいろあってそういう気分ではなかったのだ。1時間遅れでN君が来た。何しろ、「渋さ」は、演奏とパフォーマンスとそのこころざしにおいては、今の日本では最もパワフルな集団であることは間違いないと思う。不破さんにステージに引きずり出されそうになるが、ちょっと今日の所はしんどかったのでお断りした。僕なんかが出る幕ではない。彼らの演奏が突出して楽しすぎて。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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