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ポスト安倍の切り札は保守本流のリーダー

田中秀征、佐高信の両氏が語る、安倍首相に代わる人の条件とは

田中秀征 佐高信

保守本流が実現した玉城デニー沖縄県知事

田中 その要素はすごく強いと思います。玉城知事を実現した主軸は、かつての保守本流でしょう。

田中秀征氏拡大田中秀征氏
佐高 田中さんは翁長前知事には会ったことはありますか。

田中 ないです。ただ、翁長さんは一貫して保守本流に属した地方政治家です。翁長さんの著書『戦う民意』を読むと、自民党総裁(首相)だった橋本龍太郎さんに沖縄県議だった翁長さんが会いにいったときのことが書いてあります。

 基地問題について話すために自民党総裁室を訪ねたら、わざわざ列の最後尾に回された。おかしいなと思って待っていたら、他のすべての面会が終わった後に橋本さんが出てきて「沖縄を5分ですますわけにはいかないからね。最後に回ってもらったよ」と声をかけられ、1時間ほど話し込んだと言います。

 保守本流の系譜に連なる橋本さんにすれば、当然のことでした。沖縄となると、首相や閣僚がなかなか会おうとしない今の政権では考えられない対応です。

佐高 翁長さんという人が端倪(たんげい)すべからざると思ったのは、玉城デニーを後継者に指名したことです。誰も考えていなかった玉城に目を付けていたのはすごい。

田中 革新は基地を全否定するけれど、保守本流の翁長さんは国の安全保障のためなら、ある程度、我慢しようじゃないかと言う。自民党がそういう人を相手にしないのは変です。保守本流と今の主流である自民党本流の違いが一番明確にでるのは、沖縄問題への対応ですね。それと集団的自衛権への対応。

石破氏の健闘は保守本流の復活か?

佐高信氏拡大佐高信氏
佐高 翁長さんが沖縄知事になる前、基地問題をアピールしながら銀座を沖縄の首長と歩いたときに、「売国奴」という言葉を浴びせられる。保守の彼にですよ。そこまできちゃったわけですね。

 ところで、先の自民党総裁選では石破茂さんを保守本流の系統である竹下派が支えましたが、これは自民党本流と保守本流の対決の構図とみていいのですか。

田中 それなりの数の党員や議員が石破支持に回ったのは、安倍路線に代表される自民党本流とは違う流れを求める人がいたことを示しています。ただ、保守本流の神髄である歴史認識に関し、石破さんは明確ではない。だから、石破さんの健闘が保守本流の復活につながるとは速断できません。

 保守本流と自民党本流の一番の違いは先の戦争への評価です。間違いだったというのが保守本流。実は、保守本流には二種類あります。ひとつは戦前からこの戦争は間違いだと思っていた人。宮沢喜一や石橋湛山がそれに該当します。もうひとつは負けてから、とんでもない間違いを犯したと気付いた人。代表は吉田茂です。

 これに対し、自民党本流はあの戦争は間違ってはいなかったと考える。やり方がまずかった。相手がいけなかった。準備が不十分だったと。この流れは、奇妙なことに、日米の軍事的一体の方向に流れていく。その中で、沖縄の痛みに無自覚になりました。

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