メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

29時間で身につく「にわか韓国語講座」(11)

第4章 必要な「固有語」と「音変化」

市川速水 朝日新聞編集委員

ドラマや日常会話は、漢字語や固有語がバラバラ!

 冬ソナ全20話のうち、ちょうど中間あたりに出てくるペ・ヨンジュン演じるカン・ジュンサンの台詞を見てみましょう。

 過去の記憶を無くしたジュンサンは、自分の本当の名前も、かつてユジン(チェ・ジウ)を熱愛していたことも覚えておらず、この時点ではミニョンという別人の名前で生きることを決心します。こう言います。

기억도 나지 않는 강준상이란 이름으로 유진 씨 욕심내지 않겠어요.
発音:キオクド ナジ アヌヌン カングジュヌサングイラヌ イルムロ ユジン シ ヨクシムネジ アヌケッソヨ。
意味:記憶もないカン・ジュンサンという名前でユジンさんに欲を出すことはないです。

 ここでは「記憶」「欲心」と漢字語が出て来ます。記憶は発音がそっくりだし、欲心も簡単に想像できますね。でも、そのほかの動詞「(記憶が)出てくる」や「(欲心を)出す」は固有語です。イルムは「名前」を意味する固有語、「アンケッソヨ」は動詞の後について「~はないですよ」です。

 ドラマや日常会話は、このように、漢字語と固有語がばらばらに交じっています。

 理解できましたか? できませんよね。早く理解したいですよね。

 これが「罠」なんです。

 韓流ドラマや映画を理解したい、ざっくばらんな友達言葉を覚えたい、というのは、このシリーズの冒頭で私が示した、上手になるための最強の動機なのは確かです。

 ただ、そこへ行くまで、遠回りとまでは言いませんが、ワンテンポ、ツーテンポ置きましょう。そうでないと、語学の教科書のような、「家庭での父母との会話」「市場で買い物するときの会話」「授業中の先生との会話」みたいな、応用の利きにくい中途半端な学びになってしまいます。

 旅行案内本の最後に付いている「状況別の困った時の会話」で言葉の基本を覚えた人ってあまり聞いたことないですよね。あれと同じです。

 がまん、がまん。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

市川速水の記事

もっと見る