
ア・リーグの新人王に選ばれた後、エンゼルスタジアムで取材に応じる大谷=2018年11月13日、エンゼルス球団提供
記者30人中25人が「1位」に投票
ボストン・レッドソックスが5年ぶり9回目となるワールド・シリーズ優勝を決めて幕を下ろした2018年の大リーグは、シーズンが終わっても話題にこと欠かない。
もちろん、2014年以来となる日米野球も人々の関心を惹く材料だ。しかし、それ以上に大きな注目を集めたのが、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手がアメリカン・リーグの新人王に選ばれたこと。それに比べれば、日米野球の存在感はいささか薄れる。
投票権を持つ全米野球記者協会所属の30人の記者のうち25人が大谷選手を1位に選び、4名が2位に投票している。記者は新人王の有資格選手を対象に、1位から3位までを記入投票する。「1位」の欄に25回名前を書かれた大谷選手は、記者の8割以上から「新人王にふさわしい」と支持を受けたことになるから、文字通り新人王争いに圧勝したことになる。
とはいえ、成績を眺めるなら、新人王の有力な候補であったニューヨーク・ヤンキースのミゲル・アンドゥハー選手とグレイバー・トーレス選手の「ヤンキース・デュオ」の方が、出場試合数、安打数、本塁打数、打点数のいずれでも大谷選手を上回っている。
それでは、なぜ大谷選手は2018年のアメリカン・リーグの新人王となれたのだろうか。
大谷選手の成績、置かれた環境、記者や観客の気質を手掛かりに考えて見よう。