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外国人労働者受け入れ拡大の不都合な真実

森 健 ジャーナリスト

外国人労働者に関する野党合同ヒアリングに出席し、思いを述べる技能実習生(左から3人目)ら=2018年11月12日、国会内拡大外国人労働者に関する野党合同ヒアリングに出席し、思いを述べる技能実習生(左から3人目)ら=2018年11月12日、国会内

5年間で27%増加する外国人労働者

 11月13日、衆議院本会議で外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案の審議が始まった。

 目下、新しい在留資格で想定されているのは14業種、人数は最大約35万人。来年4月からの初年度で、受け入れ外国人は約4万8000人が想定されている。これらは二つの「技能」に分類されている。すなわち、強い知識や経験を求められない介護や飲食など12種の「特定技能1号」と、建設と造船の熟練した技能をもつ2種の「特定技能2号」だ。

 推計されている人手不足数は初年度で約62万人、5年目までに約135万人とされる。もしこの数に合わせようとすれば、現在議論されている最大人数を受け入れたとしても、まるで不足している。

 ただし、在留外国人の実数で言えば、2017年末は256万人、そのうち労働者は128万人とされている。つまり、5年間で最大人数の35万人を受け入れた場合、外国人労働者は27%増加することになる。

制度設計が不十分。反発する野党

 政府はこの法改正によって、来年4月から外国人労働者の受け入れ拡大を導入しようとしているが、立憲民主党など野党は制度設計が不十分なままで、時期尚早と強く反発している。

 実際、現在の外国人技能実習制度をめぐっては、賃金の低さ、待遇のひどさなどに加え、勤務先を変えようとしてもできないなど、制度上の問題が多く報じられている。来日した外国人が失踪したり、自殺に追い込まれたりするケースが少なくないことも明らかになっている。

 ただ、問題は技能実習制度にだけあるわけではない。

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筆者

森 健

森 健(もり・けん) ジャーナリスト

1968年生まれ。早稲田大学在学中からライター活動をはじめ、科学雑誌、経済誌、総合誌で専属記者を経て、フリーランスに。2012年、『「つなみ」の子どもたち』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2015年、『小倉昌男 祈りと経営』で小学館ノンフィクション大賞の大賞、2017年には同書で第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の大賞を受賞した。著書に『人体改造の世紀』、『天才とは何か』、『グーグル・アマゾン化する社会』、『ビッグデータ社会の希望と憂鬱』、『勤めないという生き方』など。

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