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29時間で身につく「にわか韓国語講座」(12)

第4章 必要な「固有語」と「音変化」 2.固有数字「ハナ、トゥル…」

市川速水 朝日新聞編集委員

拡大韓流映画の走り「シュリ」の韓国諜報部員役で北朝鮮女性工作員と激しいアクションを披露したハン・ソッキュさん

今回は数の数え方です!

 アンニョンハセヨ!

 日本語で「イチ、ニ」と「ひとつ、ふたつ」という2通りの言い方があるのと同様、韓国語も数の数え方が漢字語と固有語の2通りあります。これを覚えておかないと、待ち合わせの時間を間違ったり買い物で損したりすることになります。

 まず、漢字語は「一(イル)、二(イ)、三(サム)、四(サ)、五(オ)、六(ユク)、七(チル)、八(パル)、九(ク)、十(シプ)」と、日本語と何となく対応していますね。九はまったく同じ、ほかも「子音同一の法則」(9回目10回目を参照!)で想像がつく数字が多いのではないでしょうか。

 一方で「ひとつ、ふたつ」の方は、日本語と同様、法則がないので、とりあえず「ハナ(ひとつ)、トゥル(ふたつ)…ヨル(10個、「とお」ですね)」と呪文のように唱えて覚えましょう。日本の小学生が九九を覚えるように理屈抜きに。これらは固有語の中でも数詞なので、「固有数詞」と呼ばれます。

 漢字語の「イル・イ・サム・サ・オ・ユク・チル・パル・ク・シプ」と固有数字をセットで覚えると使い分けが早そうです。

 固有数詞を表にしてみると、こうなります。

拡大

 「ひとつ」のハナは聞いたことがあると思います。日本語でも「ハナから信用できない」という風に、一番先頭みたいな意味で使うのと通じていますね。

 「ふたつ」は、英語の「トウ-」を思い出して、「セッ」は「サード」を思い出して…と必死で関連づけようとしても、四つ以降は難しいでしょうね。指折り数えながら覚えるしかありません。

 この表、実はけっこう難しいんです。

 まず、下の段を見てください。固有数詞は1~10だけでなく、20台から90台まで、十の位ごとにあります。ちなみに「100」は固有語でなく「百」の漢字語読みです。

 日本語で10以上の固有数字はありますか? 考えてみると少しありますね。

 20歳のことを「はたち」と言います。30歳代のことを「三十路(みそじ)」と言ったりもします。アラフォー? これは違いました。「20台以上の固有数字」という日本にない考え方を覚えようとすると、気分的にすごく疲れそうですが、ここはあまりご心配なく。

 というのは、この数の多い固有数字は、ほぼ年齢だけにしか使われません。ご自分の年齢が35歳だとすれば、「ソルヌタソッサル(サル=살は歳の固有語)」とまず覚えましょう。余裕があれば、身近な人、50代とか20代とかに広げていきましょう。自分のことは「サムシプ・オ・セ」(セは歳の漢字語読み)というよりも「ソルヌタソッサル」と言えた方が、若干格好がいいと思います。

 韓国人も、外国人がこの数え方を苦手だと承知しているので、わからなくても漢字語に言い換えてくれます。…って妙に断定的ですが、少なくとも私は経験上そう思っています。

 私自身、いまでも苦手ですし。ヨソッ、イルゴプ…と頭の中で指折り数えてしまいますし、インタビューしたお年寄りから「ヨドゥン…」とか聞くと、「パルシプ…ですね」と念を押さないと不安になってしまいます。逆に取材でおじいさんから「イェスヌ・イルゴプサル(67歳)」と言われて私がけげんな顔をしていれば、「ユクシプ・チルセ」などと言い換えてくれます。それほど心配ありません。買い物でも使おうとすれば使えますが、漢字語の世界で用は足ります。

 さて、一覧表に戻ってください。八つのところで、パッチム(終声)が二つあるのにお気づきでしょう。左上に子音、右上に母音、下にパッチム二つと計四つの部品があります。

 恐ろしいですね。このコーナーで、2文字から成る終声は初めてお目にかかったのではないでしょうか。こんなことが許されるのか! どう読んだらいいのか? と私は最初に見たとき、途方にくれました。そのうちに分かったことは2点。

 まず、終声が2つあるタイプは無限にあるのではなく、計11種類であること。また、二ついっぺんに読むのは不可能なので、どちらかを読むこと、です。右側を読んだり、左側を読んだり、原則はなく文字によります。「八つ」の場合、「ヨドル」と左側を読みます。2文字の終声は固有語に特有で、漢字語にはありません。

 日常で最も使われるのは、圧倒的に「없다(オプタ)=無い」と「많다(マヌタ)=多い」でしょうね。


筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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