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29時間で身につく「にわか韓国語講座」(12)

第4章 必要な「固有語」と「音変化」 2.固有数字「ハナ、トゥル…」

市川速水 朝日新聞編集委員

ちょっと寄り道⑰ 終声2文字に騙されないで

 反切表(日本の五十音に相当)とか、子音と母音の数とか、ハングルは「数」に圧倒されがちですね。ところが、「実際にどれだけ使われているのか」を調べていくと、どんどん少なくなります。下につくパッチムも、すべての子音・母音が使われるわけではありません。実はパッチムとなる可能性のある文字は19の子音のうち16種類。その発音をグループ分けすれば、「ク」「ッ」「ル」「プ」、あとは3種類の「ン」(ヌ、ム、ング)の計7種類だけです。

 では、子音が二つならんでいるパッチムはどうでしょう。

 理論上は、「ㄲ 」「ㅆ」など同じ子音が二つつながっている子音を含めて14文字×14文字=196種類あってもいいのですが、実際は11種類しかありません。私が数えたわけでなく、辞書などの受け売りです。誰かが全部の言葉を吟味してくれたのでしょう。ありがたや。11種類しかないのですから、いくつかの言葉を列挙してみます。2文字のパッチムのうち左右のどちらを読むかも示しています。

ㄼ 여덟(固有数字の八 ヨドル 左) 넓다(広い ノルタ 左)
*ㄼ 밟다(踏む パプタ 右)
ㅄ 없다(ない オプタ 左)
ㄵ 앉다(座る アヌタ 左)
ㄶ 많다(多い マヌタ 左)
ㄺ 읽다(読む イクタ 右) *「読んで」は읽고(イルコ、左)
ㄻ 닮다(似る タムタ 右)
ㅀ 끓다(沸く クルタ 左)
ㄾ 핥다(なめる ハルタ 左)
ㄳ 넋(魂 ノク 左)
ㄽ 외곬(一途 ウェゴル 左)
ㄿ 읊다(吟ずる ウプタ 右)

 最後の四つは実生活ではほとんど見たことも聞いたこともありません。逆に上から七つは頻繁に使います。「*」は、同じパッチムの形でも単語によって左も右も読む場合があるということです。

 全体を見ると左側を読む方が多いですね。ただ、読まない片方に意味がないわけではなく、後に言葉が続く時には合わせて読みます。「ないです」は「オプソヨ」ですが、なぜ「ソ」が出てくるのかといえば、パッチムの右側(ㅅ)をつなげて読んでいるからです。

 表記は「없어요」ですが、発音は「업서요」となります。

 「お座りください」を「アヌジュセヨ」といいますが、その「ジュ」も単体では読まないですが、つなげると「앉으세요」が発音は「안즈세요」となるのです。

 列挙した最初の4つぐらいは毎日のように使いますのですぐに覚えるとは思いますが、なぜこんな字があるのか、長い間疑問に思っています。今回を機に文献やネットで調べて見ましたが、分かりませんでした。成り立ちがおわかりの方、ぜひ教えてください。

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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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