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欧州のポピュリズムと知性の闘い

永田公彦 Nagata Global Partners 代表パートナー

「十把一絡げ」にできない欧州

 欧州におけるポピュリズム台頭については、その社会背景も含め、欧州域外の人たちの目には、十把一絡げに映るかもしれない。

 もちろん、入る情報の量や質の関係で、そうなるのも不思議はないが、実態は複雑だ。まず、前述の図1が示すように、その台頭度合いが国により大きく異なる。次に、ポピュリズム政党といっても、その歴史(伝統政党、新設政党)、政治信条や政策(極右系、極左系、中道右派の右傾化等)、政治的立場(政権政党、非政権政党)など多様だ。

 さらに着目すべきは、ポピュリズム台頭の背景にある社会問題も国ごとにバラバラ観がある。それは、各国の国民が抱く心配ごとの違いを見ればわかる。なぜなら、ポピュリズムは、大衆が抱く心配ごとを逆手に取り支持者を増やす運動だからだ。

 そこで、本稿では、仏系調査会社イプソスが、長年にわたり定期的におこなう調査「World Warries(世界の社会不安)」に着目する。その中で、直近の3年(16年9月、17年7月、18年7月)の公表データを引用する。この調査は、26~28カ国の16~65歳の約2万人(各国1千人前後)に、17の心配ごと(「失業・雇用」「貧困・格差」「汚職・腐敗」「犯罪・暴力」「健康・医療」「テロ」「教育」「税制」「移民管理」「道徳低下」「インフレ」「過激主義」「社会保障」「環境問題」「気候変動」「児童肥満」「クレジットアクセス」)を示し、「この中から貴方の国にとり、最も心配な3つの要素はどれだと思うか?」と質問し、その回答を集計したものだ。

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筆者

永田公彦

永田公彦(ながた・きみひこ) Nagata Global Partners 代表パートナー

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州やアジア系企業に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、欧州系調査コンサルティング会社などを経て2003年より現職。リヨン第二大学非常勤講師(アジア経済・経営修士コース 1998~2000年)、北九州市立大学特任教授(グローバル人材育成教育 2013~16年度)を歴任し、現在はパリ第9大学及びフランス国立東洋言語文化学院で非常勤講師を務める。