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元「美しすぎる検事」ポクロンスカヤ議員に迫る 

大野正美 朝日新聞記者(報道局夕刊企画班)

ウィキペディアの自分のアニメ姿を示すポクロンスカヤさん拡大ウィキペディアの自分のアニメ姿を示すポクロンスカヤさん=撮影・筆者

 「美しすぎる検事」と日本でもネット界のアイドルとなったナタリア・ポクロンスカヤさん(38)が、ロシア政治の「台風の目」ともいえる存在になり始めている。いまは政権与党「統一ロシア」会派に所属する下院議員だが、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世とバレリーナとの恋を描いた映画『マチルダ 禁断の恋』の上映に、皇帝の姿をひどくゆがめたなどの理由で猛烈な反対運動を起こすと思うと、最近はプーチン大統領の支持率低下につながった年金改革案に与党会派でただ一人、反対票を投じたことが大きな論議を呼んだ。その本人に朝日新聞は、下院近くのレストランでインタビューした。動きがことごとく注目を集め続ける若き政治家のパワーの源に2回にわたって迫る。

 「最後の瞬間まで疑いを持つことはありませんでした。統一ロシアとしては支持しなければならない。でも示された論拠は、私を納得させず、賛成できなかった。なぜなら、私を信じる人びとへの裏切りになるからです。私たちの仕事で最も重要なことは、人びとの信頼です」

 今年7月、年金改革案に反対投票をしたことをポクロンスカヤさんは、こう振り返った。「統一ロシア」内には規律違反で議員辞職や会派からの除名を求める強硬意見も出た。しかし、改革案への賛成で「統一ロシア」への支持も急降下したことで、彼女が委員長を務める下院議員の収入・資産監視委員会を別の委員会に統合し、ポストを奪うことしかできなかった。世論の動きを正確に読んだ彼女の実質的な勝利である。

 「私は反腐敗委員会の副委員長でもあります。議員だけでなく、役所をはじめ国全体の腐敗もひどい。役人に飲ませて汚職の病気がなおるような薬はまだ開発されていないのです。腐敗・汚職の問題にどんどん力を注ぎます」。意気はさらに軒昂だ。

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筆者

大野正美

大野正美(おおの・まさみ) 朝日新聞記者(報道局夕刊企画班)

1980年、朝日新聞社入社。水戸支局、外報部、東京社会部などを経て、1986年からサンクトペテルブルクに留学、モスクワ支局勤務は3回計11年。論説委員、編集委員、国際報道部・機動特派員を経て、現在は報道局夕刊企画班。著書に『メドベージェフ――ロシア第三代大統領の実像』『グルジア戦争とは何だったか』(いずれもユーラシア・ブックレット、東洋書店)など。

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