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[4]中間選挙は米国の民主主義をどう変えるのか

沢村亙 朝日新聞アメリカ総局長

神通力に陰り

 数々の「豪語」や「自賛」は別にして、中間選挙後のトランプ氏は何かと不機嫌だ。その理由として取りざたされるのは、2016年の大統領選でトランプ氏勝利の原動力となったとされる中西部の「ラストベルト(さびた製造業地域)」で、かつての神通力に陰りがみられることだ。

 ラストベルトのペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州では上院選と知事選の双方で共和党は敗北を喫した。鉄鋼業などの衰退でグローバル競争に不満を募らせる白人労働者層の支持をつなぎとめるべく、保護主義的な通商政策を推進してきたトランプ氏にとっては大きな誤算と映っただろう。

 トランプ氏にとってのもう一つの衝撃は、これまで共和党にとって固い支持基盤と思われていた地域で「取りこぼし」が出たことだ。

 たとえば女性新人同士の対決となったアリゾナ州の上院選では民主党候補が接戦を制し、同州では1994年以来初めて、民主党が上院議席を獲得した。

 かろうじて共和党が議席を守ったものの、伝統的に共和党が強いテキサス州の上院選では、若く、演説も上手なことから「オバマ再来」として脚光を浴びた民主党のベト・オルーク候補が、共和党の重鎮テッド・クルーズ議員に肉薄した。

拡大演説会場には入らず、屋外で待ち受ける支持者にハンドマイクで演説をはじめたオルーク氏=筆者撮影

 下院ではさらにそれが顕著で、オクラホマ州オクラホマシティーやカリフォルニア州南部のオレンジ郡など、共和党の「岩盤」とされていた選挙区での民主党候補の勝利が大きな驚きをもって受け止められている。

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筆者

沢村亙

沢村亙(さわむら・わたる) 朝日新聞アメリカ総局長

1986年、朝日新聞社入社。ニューヨーク、ロンドン、パリで特派員勤務。国際報道部長、論説委員、中国・清華大学フェローなどを経て、2017年7月よりアメリカ総局長。

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