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中島岳志の「自民党を読む」(4)河野太郎

リベラルを志向しつつも、政策の中核は新自由主義。父からの自立を意識しすぎ?

中島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授

拡大河野太郎外相が2018年1月、自身のツイッターに投稿した華春瑩・中国外務省副報道局長との写真。海外メディアに「ツイッター外交」として取り上げられた

「ごまめの歯ぎしり」で積極発信

 現在、安倍内閣の外務大臣として活躍中の河野太郎さん。以前にも2015年10月から翌年8月まで、安倍内閣で国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(規制改革、防災、消費者及び食品安全)として入閣しています。歯に衣を着せぬ発言で知られ、既得権益や規制、利権に切り込む姿が印象的ですが、閣僚になると従来の主張がトーンダウンし、批判を浴びることもありました。

 父は自民党総裁を務めた河野洋平さん。父が肝臓を患った際には、生体肝移植を行ったことが話題になりました。

 河野さんは自らの主張を積極的に発信する政治家として知られています。「ごまめの歯ぎしり」と題した自身の公式ホームページには、随時、自分の意見や考えを掲載しており、また著書も積極的に出版しています。

 主要な著書は、以下の8冊です。

① 『河野太郎の国会攻略本 あなたの政策で日本が変わる!!』英治出版、2003年
② 『決断 河野父子の生体肝移植』 河野洋平との共著、2004年
③ 『私が自民党を立て直す』洋泉社新書、2010年
④ 『変われない組織は亡びる』 二宮清純との共著、2010年
⑤ 『原発と日本はこうなる 南に向かうべきか、そこに住み続けるべきか』講談社、2011年
⑥ 『「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策』 飯田哲也、佐藤栄佐久との共著、2011年
⑦ 『「超日本」宣言 わが政権構想』講談社、2012年
⑧ 『共謀者たち 政治家と新聞記者を繋ぐ暗黒回廊』牧野洋との共著、2012年

 このうち自らのヴィジョンや政策を述べた主著は、③⑦の二冊です。これを読めば、河野太郎という政治家の輪郭をつかむことができるでしょう。河野さんのこれまでの歩みと父との関係を知りたい場合には②が適しています。東日本大震災後、河野さんは自民党にありながら脱原発を説く論客として注目が集まりましたが、その主張を知るためには⑤がまとまっています。⑧では、日本のメディアが権力や政治家と手を結び、国民に開示すべき情報を隠していると告発しています。

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筆者

中島岳志

中島岳志(なかじま・たけし) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授

1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科でインド政治を研究し、2002年に『ヒンドゥー・ナショナリズム』(中公新書ラクレ)を出版。また、近代における日本とアジアの関わりを研究し、2005年『中村屋のボース』(白水社)を出版。大仏次郎論壇賞、アジア太平洋賞大賞を受賞する。学術博士(地域研究)。著書に『ナショナリズムと宗教』(春風社)、『パール判事』(白水社)、『秋葉原事件』(朝日新聞出版)、『「リベラル保守」宣言』(新潮社)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『岩波茂雄』(岩波書店)、『アジア主義』(潮出版)、『下中彌三郎』(平凡社)、『親鸞と日本主義』(新潮選書)、『保守と立憲』(スタンドブックス)、『超国家主義』(筑摩書房)などがある。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。

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