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パリは革命前夜? 「黄色いチョッキ」デモの実態

燃料増税に反対する「ジレ・ジョンヌ」によるデモは「マクロン辞任」要求にまで発展

山口 昌子 在フランス・ジャーナリスト

デモが行われたパリの凱旋門前で、燃え上がる車両=2018年12月1日、パリ拡大デモが行われたパリの凱旋門前で、燃え上がる車両=2018年12月1日、パリ

フランスを席巻する「黄色のチョッキ」

 このところ、フランスで「ジレ・ジョンヌ(黄色のチョッキ)」と言う言葉を聞かない日はない。

 燃料増税反対に端を発した市民団体「ジレ・ジョンヌ」によるデモは今や、「マクロン辞任」要求にまで発展し、「革命前夜」(仏メディア)の様相だ。一方で、デモにまぎれた「キャサール(壊し屋)」によるフランスの象徴・凱旋門(がいせんもん)への襲撃事件があったり、クリスマス商戦が直撃を受けたりで、厭戦(えんせん)気分も漂いはじめた。

 12月1日午前6時半。3回目の「ジレ・ジョンヌ」による大規模デモに備えて、シャンゼリゼ大通りはコンコルド広場から凱旋門までの約2㌔が封鎖された。車も人影も途絶え、歩道のテラスも撤去されて、ふだんは賑やかな通りも森閑。「壊し屋」の襲撃に備えて、香水店や有名ブティックは板張で“防御”していた。

 そんな様子を路上観察していると、夜明け前の薄暗い中、「ジレ・ジョンヌ」姿の男性3人が近づいてきた。デモ隊の一員?と思ったら、パリ市の清掃員だった。いつもの通り、散水車を従え、道路清掃に励んでいた。

 「ジレ・ジョンヌ」は道路作業員などが「保安」用に着用するビニール製のチョッキのことだ。目立つ黄色地に蛍光塗料で横線が2本入っているのが基本。1.01ユーロ(1ユーロ=約130円)から1.5ユーロが相場。ポケット数などいろいろ意匠を凝らすことで価格に差が出る。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在フランス・ジャーナリスト

産経新聞パリ支局長を1990年から2011年までつとめる。著書に『ドゴールのいるフランス』(河出書房新社)、『フランス人の不思議な頭の中』(KADOKAWA)、『原発大国フランスからの警告』(ワニブックスPLUS新書)、『フランス流テロとの戦い方』(ワニブックスPLUS新書)、『ココ・シャネルの真実』(講談社+α新書)、『パリの福澤諭吉』(中央公論新社)など。ボーン・上田記念国際記者賞、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受賞。

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