メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

元ネトウヨ、故翁長知事の息子が語る沖縄の保守

亡き父の後を追い政治家になった次男・雄治氏が発する沖縄保守から本土への異議

翁長雄治 那覇市議

米軍基地の反対者はすべて敵。でも……

――なぜ、ネトウヨは保守の政治家である翁長さんを叩いたのでしょうか。

翁長 米軍基地に反対する人はすべてネトウヨの敵です。でも、ネトウヨは自分の地元に米軍基地ができるのは嫌。米軍を引き受けようとは一切言わない。おかしいでしょ。ただ、それはネトウヨだけじゃない。保守の人たちも、国を守るために日米安保は大切と言いながら、なぜ本土で基地を受け入れないのかと父が問うたら、みんな黙る。結局、これが本土の保守。

 保守の政治家にとって最も大切なのは、国と地域を守ることでしょう。僕みたいなペイペイが言ったら怒られるかもしれませんが、国防を真剣に考えている政治家がどれだけいるのかと思ってしまいます。口では国を守るといっても、軍隊も遠い、自衛隊も遠い人たちの言葉に聞こえる。リアルがない。

――戦闘機や軍艦など兵器が目の前にある沖縄は、ある意味、戦争のリアルがありますね。

翁長 そうです。本土にはそういうリアル感はない気がしますね。

人情があり話ができた経世会の政治家

翁長雄治さん=2018年11月16日拡大翁長雄治さん
――かつては自民党にも沖縄の窮状に理解を示す政治家がいました。橋本龍太郎首相は普天間飛行場の返還合意をまとめ、小渕恵三首相は「沖縄は第二の故郷」と言って、沖縄振興に尽力した。いずれも派閥は田中・竹下派の系譜を引く経世会(現平成研究会)でした。

翁長 父と小渕さんにはエピソードがあります。父は県議初挑戦の時、自民党から公認をもらえなかった。それに小渕さんが怒り、沖縄まで来て、「自民党が公認しなくても、小渕が公認する」と公言して、応援してくれたと言います。そのあたり、父から詳しく聞く前に死んじゃったのですが……

 思えば経世会の政治家には人情があり、話ができた気がしますね。小渕首相が倒れ、岸・福田派の流れをくむ清和研の森喜朗さんが首相になったのが転機でしたね。以後の首相は小泉純一郎さんをはじめ、ほとんどが清和研。清和研の議員は沖縄とあまり縁がなく、沖縄に厳しい。

――安倍晋三首相は清和研ですが、自民党には経世会の系譜の政治家もいるはずです。沖縄と積極的にかかわろうとする自民党議員が少ないのは、なぜでしょうか。

翁長 自民党にもリベラルな考えの先生もおられるのですが、小選挙区制の下、党本部や首相官邸に刃向かえないというのも大きいでしょう。

――小選挙区制は影響が大きいですか。

翁長 中選挙区制のころと違い、小選挙区のもとでは、とにかく党本部や官邸に反対したら当選できない。対立候補を立てられるかもしれないし、お金ももらえないかもしれない。みんな怖いんですよ。ただ、それが自民党の幅を狭めているとは思います。沖縄にゆかりがある方には、ぜひ沖縄に思いを寄せていただきたいのですが……

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

翁長雄治

翁長雄治(おなが・たけはる) 那覇市議

1987年、那覇市生まれ。故翁長雄志前沖縄県知事の次男。大学卒業後、民間企業2社で働いた後、2017年7月に那覇市議選で初当選。現在1期目。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです