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日産自動車が臨時の取締役会を開くグローバル本社ビル=横浜市西区拡大ゴーン会長の解任を決めた日の日産自動車グローバル本社ビル=2018年11月22日、横浜市西区

11月20日(火) 午前中、「報道特集」の定例会議。今週のネタはいくら何でもゴーン逮捕で何があったのかだろう。午後一に赤坂でA弁護士と打ち合わせ。

 その後、文京シビックセンター・スカイホールで講演。会場がちょうど満杯になる。ゴーン・ショックの背景事情など多少わかってきたことも含めて話をする。その後、T弁護士らと打ち上げに。弁護士さんたちとのつながりは仕事柄必ずどこかでできてしまうものだが、この夜は思わぬ過去のエピソードを聞くことになって、とてもよかった。過去の大事件にまつわることがらで、まだまだ自分が知らなかったことがたくさんある。

11月21日(水) 早起きをしてプールに。最近運動不足で太り気味。心身の状態をうまくコントロールできていないのだろう。いつもの半分で泳ぐのをやめる。

 午後、アメリカ映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』の試写会。イラク戦争当時の大量破壊兵器報道が大量に流布した中で、唯一、ナイトリッダーという新聞社が果敢に、イラクが大量破壊兵器を保持している(保持しようとしている)との情報が、ラムズフェルド国防長官やウォルフォウィッツ国防副長官ら好戦派によって操作、ねつ造されたものであることを報道し続けたというストーリーを映画化したものだ。この時、僕はワシントン支局に勤務していたので、NYタイムズのジュディス・ミラーが一面トップで「フセインが核開発を目論んでいる」だのの「スクープ記事」なるものを出し続けていたことを鮮烈に記憶している。

 ジュディス・ミラーは、実際に会ってみるとどこか「妖気」を漂わせているような女性記者で、イラク国民会議なる親米傀儡組織のトップの情報を垂れ流していたことが後日判明して、結局米中央情報局(CIA)の情報漏洩事件でNYタイムズを退職するのだが、当時の編集責任者らも同罪だと僕は思っていた。イラク戦争開戦前夜、アメリカはひどいメディア状況だった。日本のメディアもそれに引っ張られていた。ただこの映画は、ナイトリッダーの2人の主人公の記者の姿をヒーローのように描いているだけで、その取材活動ぶりもいかにも底が浅く、大いに不満が残ったというのが率直な感想だ。字幕が池上彰氏監訳というのも訳がわからない。まあ、いいや、そんなこと。当時のネオコンたちが何の責任も問われずに生き残った現実をこそ直視しなければならない。ジュディス・ミラーは今どこでどうしているのだろう。

 東京拘置所のゴーン会長のもとにフランス大使が面会に行ったそうだ。ゴーン会長も3食、東京拘置所から出されためし(官弁)を食べているのだろう。その姿を想像する。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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