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世界の潮流に逆行する水道民営化

決定の手順にも疑問の余地が大きい改正水道法

六辻彰二 国際政治学者

水道が民営化された国での問題

 なぜ再公営化の波は広がっているのか。そこには主に、安全面の問題とコストの問題があげられる。

 例えば、パリの例をあげてみよう。パリでは1985年に水道がコンセッション方式に基づいて民営化され、主にヴェオリアとスエズの2社がこれを担った。

 ところが、効率優先の経営がもたらす安全面での弊害は1990年代には既に表面化し、煮沸消毒するなどして殺菌しなければ水道水を飲めなくなった。その結果、フランスではボトル詰めウォーターが急速に市場を広げたが、同様のパターンは水道事業を民営化した国でほぼ共通する。

 さらに、公的機関より採算を重視する民間企業が経営するため、水道料金が段階的に引き上げられた結果、パリでは1985年から2009年までに265パーセント上昇した。

 その一方で、

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筆者

六辻彰二

六辻彰二(むつじ・しょうじ) 国際政治学者

1972年生まれ。博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。アフリカを中心に世界情勢を幅広く研究。著書に『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、共著に『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)など。その他、論文多数。Yahoo! ニュース「個人」オーサー、NEWSWEEK日本版コラムニスト。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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