
ドキュメンタリー『ラップと知事選 沖縄 若者たちの声』(NHKの公式サイトより)
11月27日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。午後から日本橋人形町へ。今年公開されたドキュメンタリー映画を見まくる。今年はドキュメンタリー映画を見ているようで実はあんまり見ていなかったことを後悔する。
19時からサントリーホールで、ズービン・メータ指揮のバイエルン放送交響楽団とエフゲニー・キーシンのピアノ。これは値段のお高いコンサートだったが、お客がたくさん入っていた。キーシンは本来サービス精神旺盛の人だが、この日のアンコールは3曲にとどまった。僕がこれまで聞いたキーシンのコンサートでも8曲くらいアンコールに応じたことがあったものなあ。後半はストラヴィンスキーの『春の祭典』。巨匠ズービン・メータは現在82歳。杖をつきつき、介助の人に支えられながらステージに登場した。少しはらはらした。けれども椅子に座って指揮棒を振り始めるや別人のように毅然となった。特に『春の祭典』のようなすさまじい曲は大丈夫なのだろうか、と若干心配になってしまったが、そんな心配なんぞどこかに吹っ飛ぶほどの素晴らしい指揮ぶりと演奏だった。音楽は生きる力と情熱を引き出す。
11月28日(水) 今日も朝から日本橋人形町でドキュメンタリー映画漬けになる。きのう3本、今日も3本。ドキュメンタリー映画は集中力が求められ気を抜けないので、とても疲労した。だが得られたものは大きい。
途中、上映会場を抜けて近くにある喫茶店に入る。こんな喫茶店がまだ生き残っているのかと思うほどのレトロな喫茶店だった。快生軒。「創業大正八年」と看板に出ている。店内は喫煙OKでお客さんがスパスパ煙をふかしている。何だか今も店内にリベラルでハイカラな帝大生と、それを監視している特高がいそうな雰囲気の喫茶店だ。バーテンダーもレトロな感じだ。夕刻、映画を一緒にみた方々お二人と軽く喉を潤す。東京の下町の飲食店は好きだな。先日、大工哲弘さんたちとご一緒した浅草の店も気取らずでよかった。そういうところに惹かれるというのは自分が歳をとったという動かぬ証拠だろうな。