2018年12月14日
最近の日韓関係でちょっと心配なことがある、と言うと、「徴用工判決ですね。韓国の大統領府も相変わらず無言ですし……」などと言われる。
もちろん、それもある。原告の弁護士さんをはじめ、識者の皆さんの意見にはなるほどと思うのだが、解決方法となると、皆目見当がつかない。韓国の与党「共に民主党」からは、「日本と韓国両国の政府、企業で『2プラス2人権財団』を設ける案」が出されているが、それを両国の国民がすんなり受け入れるとはとても思えない。
ところで今とても心配しているのは、その「解決方法」よりも日韓の一般の人々の感情だ。特に最近感じるのは、韓国人の日本に対する見方が微妙に変化していること。それは「嫌日」とでも呼べばいいのだろうか。日本人の一部が主張する「反日」とは別のものである。「呆れる」とか「うんざり」という感情。かれこれ30年ほど韓国人とつきあってきたが、最近になってとみに感じるようになった。特に、私たちの近くにいる、「日本派」と言われる人々の間で、それが急速に広がっているように感じる。
例えば、日本で働いている韓国人の若い友人(20代・女性)が、先日こんなことを言っていた。
「韓国にいる友だちから、日本にいていいなあ、羨ましいと言われることが多いんです。日本人は親切だし、日本の食事は美味しいでしょう?と。前は素直にそうだよ!って言えたんだけど、なんだか、最近は複雑。日本に住んだことのない韓国人の方が、日本に対して良いイメージを持ってるような気がします」
さらにツイッターでは、若い韓国女性が日本語でこうつぶやいていた。
「ここ(ツイッター)で韓国の悪口言っている人がどれだけひどいか。韓国にも悪いところがあるから批判はしてもいいけど、私が何か言うたびに、韓国に帰れ帰れって。言われなくても帰ってやるよ」
「今は、日本語ができる韓国人の方が、日本に対するイメージが圧倒的に悪い気がする」
日本語ができる韓国人、つまり日本に関心のある人の方が、日本に対して否定的な感情をもつようになっている。悲しいことだ。以前は、逆だったのだ。日本語ができる人が日本に親近感を持ち、日本人に味方をしてくれた。
「韓国は反日国だ」と決めつける人がいるけれど、それは間違っていると思う。そもそも国家が「反日」だの「親日」だの、何を根拠にしているのか。同盟国か否かでもない、謎の規定。よって、「反日国」という言葉にはまったく同意しないが、「反日感情」なら意味はわかる。36年間も日本に支配された韓国には、当然、日本や日本人への反発があった。
私が韓国で暮らし始めた1990年代初頭は、今に比べて「反日感情」が強かった。例えば、ソウルで下宿を探した時、言葉の習得のために韓国人との相部屋を希望したが、家主は難色を示した。
「日本人は他の人が嫌がるから」
ところが、空き部屋をさっさと埋めたかった奥さんが、「ケンチャナ、ケンチャナ(大丈夫、大丈夫)」と言いながら、その場で私の荷物を運び込んでしまった。そこに、新大学生の親子が部屋を見に来た。
「え、日本人がいるんですか! それは
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