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安倍晋三首相(右)が出席した参院法務委で答弁する山下貴司法相=2018年12月6日拡大安倍晋三首相(右)が出席した参院法務委員会で答弁する山下貴司法相=2018年12月6日

12月4日(火) 午前中「報道特集」の定例会議のあと、雑務、雑務で時間が過ぎていくばかり。夕刻から専修大学で日本ペンクラブ「子どもの本」委員会等の主催で、メディア状況に関する講演会。メディアのありようが看過できない状態になっていることを、メディアのなかに一応今もとどまっている自分が他人事のように発言し続けるわけにはいかない。どこかで落とし前をつける作業を同時並行的にやっていかなければならないのだ。講演会のあとの懇親会には20人近くの人が参加していた。年長者が多い中で、ひとりだけ若い人がいた。もがきながら必死に生きている感じの人だったが、話をしてよかった。

 中東取材の準備をしようとE、N氏らと断続的に話をする。

12月5日(水) 朝、早起きしてプールへ。ゆっくりと泳ぐ。ニコンプラザ新宿のギャラリーで写真家インベカヲリの写真展『理想の猫じゃない』。ひりひりするような写真展だ。家族の解体のなかで被ったこころの傷や、社会生活のなかでの性暴力で生きづらい状況にある女性たちのポートレート写真の数々。それらの写真が撮影された奇怪な<シチュエーション>は、被写体と撮影者・インベカヲリ氏との話し合いによって決められたようだが、その<シチュエーション>の造作自体が、傷の深さと癒えなさを露わにしているようで、みていてひりひりする。写真に添付されていたキャプションの文章も簡にして深く、インパクトがあった。写真家たちの方が、報道メディアよりも、今の時代状況を深く伝えていると思う。同時開催されていた千葉県在住のバングラデシュ人家族の写真展、田川基成『ジャシム一家』にも興味をひかれた。入管法が審議されている現下の状況ではなおのことだ。

 その後、東京オペラシティのコンサートホールでバイオリニスト、ヒラリー・ハーンのバッハ楽曲の演奏を聴く。バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ、ソナタ」を聴く。あまりにも気持ちがよくなって、バカなことに眼鏡をどこかに落としてきてしまった。何やってんだか。ホールに電話をしてみたら、メガネが1個届いているという。ひと安心。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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