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「憲法改正を決めるのは主権者」はほんとうか?

国民投票をとことん考える・上

松下秀雄 朝日新聞編集委員(政治担当)

臨時国会が閉会し、記者会見に臨む安倍晋三首相=2018年12月10日、首相官邸拡大臨時国会が閉会し、記者会見に臨む安倍晋三首相=2018年12月10日、首相官邸

折れるほど首をかしげる首相の言葉

 「憲法改正を最終的に決めるのは、主権者である国民のみなさまである」

 安倍晋三首相は12月10日、臨時国会閉幕にあわせた記者会見で、このように述べた。
決めるのは国民なのだから、国会は論議を急げ。そんな思いがにじむ言葉だ。来年に向け、改憲への意欲を改めて示したということだろう。

 ところで、この「決めるのは、主権者である国民」という言葉はほんとうだろうか?
確かに、衆参両院で3分の2の賛成を得て発議したとしても、その先には国民投票が待っている。そういう意味では間違ってはいない。

 けれども、国民投票をしさえすれば、「主権者である国民」が決めたことになるのか。国民投票を担当する記者として、折れてしまいそうなくらいに首をかしげているのだ。

 それはどうしてなのか。私が感じていることを説明したい。


筆者

松下秀雄

松下秀雄(まつした・ひでお) 朝日新聞編集委員(政治担当)

1964年、大阪生まれ。89年、朝日新聞社に入社。政治部で首相官邸、与党、野党、外務省、財務省などを担当し、デスクや論説委員を経て2014年4月から編集委員。17年秋までコラム「政治断簡」の執筆者の1人を務めた。現在は、主に憲法改正国民投票に関する取材や準備に携わっている。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです