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29時間で身につく「にわか韓国語講座」(17)

第5章 文章を作る、話す、書く 3.副詞「~ヒ」「~ゲ」プラス動詞で生々しく

市川速水 朝日新聞編集委員

代表的な副詞

・もっと 더(ト) 더 드세요.(ト ドゥセヨ)=もっと召し上がってください

・ちょっと 좀(チョム、ジョム) 좀 보여 주세요.(チョム ポヨジュセヨ)=ちょっと見せてください
 *この二つは(私を含む)あいまい表現好きの日本人向けだと思います。좀 더 주시겠습니까? で「もうちょっとくれませんか?」。飲み屋で最適。

・早く 빨리(パルリ)

・遅く 늦게(ヌッケ) 늦게 와서 죄송합니다.(ヌッケワソ チェソングハムニダ)=遅れて来てすみません
 *죄송は「罪悚」の漢字語読みです。罪を恐れるという意味ですね。

・むだに、やたらに、いたずらに 괜히(クェニ) 괜히 갔어요.(クェニ カッソヨ)=無駄に行きました
 *約束の時間に待ちぼうけを食わされた時や、映画館やレストランに満員で入れなかった時などに使います。

・簡単に 간단히(カヌダニ) *「簡単」の漢字語読みです

・突然  갑자기(カプチャギ)

・非常に 매우(メウ) 대단히(テダニ) 대단히 감사합니다.(テダニ カムサムニダ)=誠にありがとうございます

・すごく 굉장히(クェングジャングヒ)
     너무(ノム)  *よくも悪くも使います。「too much」的な。
     너무 좋다(ノム チョッタ)= 良すぎる
 *ネットで「可愛いすぎる」と褒めるような言葉づかいでしょうか。カラオケのかけ声でよく聞きます。「スゲエ」「ヤバイ」ですね。「너무해요」(ノムヘヨ)は「あんまりです」。話し相手に使われたらつらいですね。

・本当に、おそろしく 엄청(나게〉(オムチョング〈ナゲ〉) 엄청 화가 났어요.(オムチョング ファガナッソヨ)=すごく腹が立ちました *화가 나다 火が出る=怒るという慣用句です。

・ついに 드디어(トゥディオ) 드디어 백점을 받았다.(トゥディオ ペクチョムル パダッタ)=ついに100点とった
 *받다 は「受ける」ですが、試験などで評価される時にも使います。

・なんと 얼마나(オルマナ) 서울의 밤은 얼마나 활기찬지.(ソウレ バムヌ オルマナ ファルギチャヌジ)=ソウルの夜はなんと活気に満ちているのか *活気は漢字語

・別に   별로(ピョルロ) *ピョルは「別」の漢字語読みです 그 영화는 별로 재미가 없었어요.(ク ヨングファヌヌ ピョルロ チェミガ オプソッソヨ)=その映画(*漢字語)は別に面白くなかったです *チェミ=面白み。滋味から由来します。
 *日本語の「別に~」と同様に、「良かった?」「面白かった?」「おいしかった?」の返事として一言、「별로」と言えば、「たいして…」というつまらなそうな雰囲気を醸し出します。

少し長い慣用句や文脈を整えるためのお得な表現

・無我夢中で、気がせいて 정신없이(チョングシヌオプシ)
 *チョンシンは「精神」の漢字語読み。「精神がない」も慣用句です。최근에 너무 바빠서 정신없네.(チェグネ ノム パッパソ チョングシヌ オムネ)=最近、すごく忙しくて目が回りそうだ

・予想よりも 예상보다(イェサンポダ)
 *「予想」は漢字語です。「より」のポダが出て来ましたね。그 값이 예상보다 비쌌어요.(ク カプシ イェサングポダ ピッサッソヨ)=その値段は予想より高かったです

・ある意味では 어떤 의미에서는 *「意味」は漢字語

・簡単に言えば 관단하게 말하면 *「簡単」は漢字語

・逆に言えば 거꾸로 말하며

・振り返ってみれば 뒤돌아보면

・私の見方では 내가 보기에는
 *これらは、日本語とまったく同様、はさみたいところで言えばいいのです。いじわるな反応も日本語と一緒です。
 「逆に言えば」を連発する人には「逆、逆で元に戻ったじゃん!」。「簡単に言えば」が口癖の人には「最初から簡単に言えよ!」と心の中で叫ぶわけです。

 全体的に言えば、日本語と同様、形容詞が副詞に転じて使われ、「~히」「~이」「~게」が末尾に付いて副詞をつくる場合が多いのです。日本語で「多い」(形容詞)が「多く」(副詞)に変わり、たくさんの(形)→たくさん(副)、少しの(形)→少し(副)と少しずつ形が変わるのと同じ考えでいいと思います。

(~히) 굉장히 가만히(静かに)솔직히(率直に*漢字語読みです)
(~기) 갑자기
(~게) 크게(大きく) 작게(小さく) 예쁘게(きれいに)
ちょっと寄り道㉖ ネイティブ発音の難しさ
 日本語を母語にしているから外国人に日本語を教えられるか、と言えば、まったく違いますよね。「れる・られる」とか「受け身表現」とかについて、「どうしてですか?」と聞かれて「なんとなくそうなの!」とか答えても先生役はつとまりません。改めて日本語の文法を学ぶ必要があります。文法とはよく言ったもので、何げなく使っている文を法則にあてはめるものだからです。
 私が思い出す強烈な日本語体験を一つ。中国・天津に留学中、かなり日本語の上手な学生から聞かれました。「日本語の『高校』の発音が難しい。『こ・う・こ・う』と書くのに、なぜみんな『コーコー』というのか。さらに、1番目と3番目の『こ』は違うし、2番目と4番目の『う』も少し違う。詳しく教えてください」と。
 それって…。結局「習慣」とか、「そういうものなの」とか言ったのですが、全然答えになっていない返答で、相手はがっかりしたと思います。言われてみれば、文字づらと発音が合っていないし、どちらの「こ」に力点を置くか、音引きとも微妙に違う「コー」という響きは説明が難しいでしょう。これ、20年以上前の話ですが、今でもよく説明できません。きちんと説明できる人、教えてください。このように、どの国の言葉も、何年か暮らしてやっと微妙な発音をものにできるし、自然な言葉遣いになれば、さらに奥深い世界がある、ということですね。

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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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