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卯城竜太さんが語る「美術の力」

12月27日(木) 朝早い便で富山市へ。チューリップテレビのHさん。Hさんたちチューリップテレビの報道部は実によく健闘している。その後、94歳の老母と実弟に会う。

12月28日(金) 今年最強の寒波が襲来、帰りの朝の飛行機便が天候調査中というメールが入った。あらら。まいったなあ。万一にそなえて北陸新幹線に切り替える。

 午後6時半から恒例の港合同法律事務所の「来年会」。去年の今頃はシリアのクルド人支配地域を取材中だったので欠席だった。駆けつけてみるとすでに事務所は満杯状態。知った顔が多数。午後9時からCSの収録があるのでアルコールは飲めない。拷問のごとし。みると東海テレビの阿武野勝彦さんと土方宏史ディレクターが来ているではないか。こないだの『調査情報』に『さよならテレビ』のことを書き、写真を提供していただいた経緯があるので挨拶を交わし話をした。他人事じゃなくて、僕らみんなが『さよならテレビ』をつくるべきなんだ、と。

 午後9時から打ち合わせの後、CS『カタストロフと美術のちから展をみる』の収録。よくまとめられていた。特に畠山直哉さんとChim↑Pomの卯城竜太さんのインタビューはもったいないくらい。テレビは時間が限られているので。畠山さんの発言は別の媒体できちんとお伝えできればと思うが、Chim↑Pomの発言は稀有なので、以下に一部をほとんどそのままで紹介しておこう。

金平 (森美術館の)開館記念で『カタストロフと美術のちから』という、アイロニカルというか、美術の力を問いかけるような、とても刺激的な展覧会だとは思うんですけど、その中でも、報道は真実を伝えているかと、東日本大震災の後の福島第一原発付近で防護服に身を包み撮影した映像作品があります。実は私、かなり早い段階でこれを見たんです。僕らの仕事ってこういう所に行くのが仕事だったし。同じように防護服を着て行った。正直言って、あの時これをみて反発を感じました。

卯城 そうなんですか。

金平 なんでこんなことするんだ、みたいな。僕はある種の世間の常識みたいなものを背負いながら仕事をしているので。この間、この展示会で見た時は全く考えが変わって印象が変わった。これは「よくこういうことを残してくれたな」というような気持ちの方が、よくあの時こういうことをやったアーティストがいたなって。だってあの時は、アーティストはみんな身をかがめて逃げた人だっていた、正直。その時にあそこに突っ込んでいった。福島第一原発の現場を見たいと思った気持ちはどういう気持ちだったんですか、当時。 ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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