メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

無料

激しさを増す韓日の葛藤。その行く先は?(上)

元徴用工判決、レーダー照射問題、「和解・癒やし財団」解散……関係悪化は深刻だが

陳昌洙 世宗研究所首席研究委員・日本研究センター長

三菱重工業を巡る徴用工損害賠償訴訟で韓国大法院判決を前に集まった原告団ら=2018年11月29日、東亜日報提供拡大三菱重工業を巡る徴用工損害賠償訴訟で韓国大法院判決を前に集まった原告団ら=2018年11月29日、東亜日報提供

一触即発の状況にある韓日関係

 「和解・癒やし財団」の解散、韓国大法院(最高裁)による韓国人元徴用工へ賠償判決、日本の海上自衛隊哨戒機が火器管制レーダーを照射されたとされる問題などでこのところ、韓日関係の葛藤は、解決策を見つけることが困難なほど深刻化している。専門家も韓国と日本は長期間対立することになるだろうと警告している。

 昨年10月30日に大法院の元徴用工判決が出て以来、韓日局長級協議が始まったが、今のところ特別な解決策は出てきそうにはない。韓国では李洛淵総理が主導して徴用工問題に対する対策を検討しているが、大法院が判決で個人請求権を認めたことに対し、韓国政府がどのような解決策を示しても、韓国の世論を納得させるのは難しいだろう。大法院が今回の判決で日本の植民地統治の不法性を明確に認めたことを、歓迎する声が強いからだ。日本政府の反論には、まったく耳を貸さないという雰囲気さえある。

 かたや日本は、大法院判決を「1965年基本条約の根本を揺るがす最大の事件」と受け止め、韓国では想像できないほどの驚きと失望感を示している。韓国と異なり、日本では「徴用工問題は全面的に韓国政府が解決するべきであり、日本企業はお金を出してはいけない」という世論が支配的だ。また、学界をはじめ官民の間には、徴用工問題を国際司法裁判所に提訴をするべきだという主張が強い。

 そんななか、強制徴用被害の補償を拒否する日本企業が韓国国内で所有する資産に対する差し押さえ申請が韓国で提起された。菅義偉官房長官は1月7日、具体的な対応策を検討していると明らかにした。産経新聞は「日本政府内にはトランプ米大統領方式の韓国製品に対する関税引き上げを実施すればいいという閣僚発言などがある」と報道した。今や韓国・日本関係は一触即発の状況にある。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

陳昌洙

陳昌洙(ジンチャンス) 世宗研究所首席研究委員・日本研究センター長

1961年、韓国生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士過程修了(政治学博士)。96年から現職。北海道大学特任教授(2011年)、現代日本学会会長(2013年)、世宗研究所所長(2015~18年)などを歴任。現在は南北首脳会談諮問議員も務めている。日韓関係や日本政治、東北アジア国際関係など関する著作や論文多数。