メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

29時間で身につく「にわか韓国語講座」(20)

第6章 「日本語力」で上達する 2:外来語は日本より多用?

市川速水 朝日新聞編集委員

拡大「草津温泉バスターミナル」という停留所です。英語、中国語、そして韓国語の関係がよく分かります。ハングルは日本語読み+漢字語読み+外来語と複雑につなぎ合わせているのですね

韓国語にも外来語がたくさんあります!

 ヨロブン、アンニョンハセヨ!

 今回は、外来語だけで1回費やしてしまおうという試みです。それぐらい使いこなすと便利な半面、落とし穴も潜んでいるからです。その落とし穴にはまったりすると、これまたうれしくて楽しくて。しょせん元々は英語など外国語を「その国仕様」にしているわけですから、たまにはいろいろな問題も生じます。

 日本の外来語(カタカナ語ですね)は、ほぼ韓国語でも外来語として定着しています。たいてい、というのは80~90%ぐらいでしょうか…。ともに政治的・軍事的・経済的に米国や英語圏が身近だからでしょうか。日常会話に出てくる頻度は日本と同じぐらいだなあという印象を持っています。

 ただ、「アップグレードさせる」など、日本で使われる語よりいくぶん難しい言葉が会話の中に溶け込んでいたり、チョコが好きでたまらない人を「チョコレート・キラー」と言ったり(実際は音引きがないので「チョコリッ・キロ」と聞こえます)、外来語を生活の中に取り込む意欲は、日本以上のものがあるとも思います。

 韓国の外来語には、日本語と違う点が大きく言って二つあります。まず、日本語では、ほぼ全部がカタカナ表記されるので一目見て分かりますが、韓国語では直接英語で表記される以外はハングルなので、読んでみないと外来語かどうか分かりません。

 もう一つは、元のアルファベットの発音が日本風読みと違い、単語によってはまったく別に聞こえてピンと来ないことがあります。特にバー、カー、サーと、「ア行」で伸ばす音は、ボ、コ、ソと母音が「オ行」のように変化します(日本語の完全な「オ」でなく、あいまいな「オ」です)。音引きは短めか、ほとんどありません。先ほどの「キラー」は「キロ」と聞こえますので、慣れないうちは「今の何? 本当に外来語?」と戸惑うこともあります。

 また、「F」は日本語で表記すると「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」ですが、ハングルの世界では、「パ・ピ・プ・ペ・ポ」に変化します。

 いくつか例を挙げながら説明してみましょう。

ハンバーガー→ヘムボゴ、햄버거
*「ハン」が「ヘム」に。「バー」が「ボ」に
コーヒー→コッピ、커피
*「フィー、fee」が「ピ」に
コンピューター→コムピュト、컴퓨터
*「ター」が「ト」に
インターネット→イヌトネッ、인터넷
*「ター」が「ト」に。最後の「ト」は「ッ」となり発音しません
バス→ボス、버스
*「バ」が「ボ」に

 元は発音の構造が違う英語なのですから、お国柄で発音しやすいように定着していくのですね。

 「なぜだ?」と騒いでも意味はありません。日本語化したリンゴは「アップル」と表記しますが、英語圏の人にまず通じませんよね。それと同じです。

 日韓の言葉を知る米国人に「日韓どちらの発音が英語に近い?」と聞いたことがありますが、「どっちも全然違う!」と一蹴されました。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


関連記事

筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

市川速水の記事

もっと見る