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ハンストは無駄だったのか

ドクターストップで105時間で終了。元山さん「県議会の皆様の動きに賭けたい」

岩崎賢一 朝日新聞記者

最初はドクターストップかけるドクターもいなかった

 ハンストをしていた元山仁士郎さん(27)は、1月19日午後6時ごろ、ツイッターにこう書き込んだ。

「本日(19日)17時、ハンガーストライキ開始から105時間が経過したところでドクターストップがかかりました。親、会の役員、周りの意向を受け、ここでやめる決断をしたいと思います。市長の態度が変わらない中、県議会の皆様の動きに賭けたいと思います。見守っていただき、ありがとうございました」

 水しか飲まないという条件下で始めたハンストは、105時間続いた。

 その10分後のツイートでは、こうお礼を述べている。

「沖縄、日本、海外からたくさんの方々に支えられ、涙が溢れています。ありがとうございました」

 どちらのツイートも、血圧測定や支えられながら歩いている姿の写真が添えられている。

拡大ハンスト中止を知らせる元山さんのツイート
 16日午前、私が電話で少し話したときは、周囲の状況について「(近くにいる人は)5人ぐらいですね」と話していた。この時点では、「ドクターストップまでと言っても、サポートしてくれるドクターがいないので、ストップがかからない状態です」とも(『県民投票の会代表がハンストで問う「民主主義」』参照)。

 しかし、地元の新聞社のネットニュースやSNSで国内外に状況を伝える記事や書き込みが拡散されると、在京テレビ局などの番組が取材に訪れるようになった。住民も駆け付け、時には人だかりができるようにもなった。支援の輪も広まっていった。

 ただ、降雨もあり、体力を失っていく。テントの中で寝袋に入ってハンストを続ける時間も長くなっていく。サポートを始めた医療関係者からは、水だけでなく、塩も摂取するように指示が入った。

 体の中の塩分濃度が下がると、めまいやふらつきが起こるほか、塩分濃度を体が自然と調整しようとして水分を多く排出しようとするため、脱水症状やけいれんを起こしやすくなるからだ。

 情報が拡散していく中、宜野湾市役所前には、毎日午後3時ごろ、右翼の街宣車も来るようになった。

 元山さんは、ツイッターでこうもつぶやいている。

「この右翼の方々が沖縄のどこの市町村に住んでるかは分からないけど、この人たちが県民投票で大事な意思表示ができるためにもがんばりたいと思います」(17日)

 私がインタビューした1月4日の時(『「辺野古」県民投票の会代表の元山さんに聞く』参照)、元山さんは辺野古移設に対する個人の意見は別にして、「もし賛成の方が多ければ、日本政府は太鼓判を得たとして、工事をどんどん進めていくこととなるでしょう。反対が多く出たら普天間基地の移設先の選択肢の模索を、もう一度真剣にやらないといけないと思います」と話していた。

 様々な立場の人が参加し、賛否を示して議論し、深めることが大切だと説いていた。

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞記者

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当を経て、現在はオピニオン編集部で「論座」編集を担当。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

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