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韓国「情」社会の良し悪し

なぜ「かわいそうな」状況に陥っているのかという社会の構造に目を向けて

藏重優姫 韓国舞踊講師、日本語講師

「情」の社会

 韓国では「情」という言葉をよく使います。「情の多い人」とか「あの人は情があるね」という言い方をします。「情がない人」というと、日本語では薄情な人、冷たい人という感じになります。

 この韓国の「情」は、社会学、文化人類学、民俗学、文学等々の分野では、お馴染みの研究素材としてよく取り上げられ、それだけ「情」が韓国の人を理解するキーワードなんだという事が分かります。私なりの解釈ですが、「情」は「共感して情けをかけること」と言う風に考えています。

 だからなのか、今日もオンニが、これから炊き出しの奉仕活動に行くと言っていました。韓国では、クリスマスやお正月などが近づくと、お米や日用品などを福祉団体に寄付するという光景もあちらこちらで見られます。娘の水泳教室がある公営の体育センターでは、大きなお米の袋に寄付者であるインストラクターの名前が書かれて並べられていました。

拡大年長者に新年のあいさつをする「セベ」を体験する参加者ら=2015年2月19日、大阪韓国文化院

 また、娘の小学校の通知表には「奉仕活動」という欄があります。どれだけの奉仕活動をしたのか記入する欄です。私も人に連れられて、一緒に奉仕活動をしたり、寄付したりすることが多くなってきました。

 何らかの宗教を持っている人が多い韓国では、各々の宗教団体での奉仕活動も珍しくありませんが、知り合いのオンニのように宗教を持ってなくとも行動する人は少なくありません。寄付や奉仕活動がお裾分けの延長上にある、オンニも「情のある」人だと言えるでしょう。

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筆者

藏重優姫

藏重優姫(くらしげ・うひ) 韓国舞踊講師、日本語講師

日本人の父と在日コリアン2世の間に生まれる。3歳からバレエ、10歳から韓国舞踊を始め、現在は韓国にて「多文化家庭」の子どもを中心に韓国舞踊を教えている。大阪教育大学在学中、韓国舞踊にさらに没頭し、韓国留学を決意する。政府招請奨学生としてソウル大学教育学部修士課程にて教育人類学を専攻する傍ら、韓国で舞台活動を行う。現在、韓国在住。日々の生活は、二児の子育て、日本語講師、多文化家庭バドミントンクラブの雑用係、韓国舞踊の先生と、キリキリ舞いの生活である。

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