沢村亙(さわむら・わたる) 朝日新聞論説委員
1986年、朝日新聞社入社。ニューヨーク、ロンドン、パリで特派員勤務。国際報道部長、論説委員、中国・清華大学フェロー、アメリカ総局長などを経て、現在は論説委員。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
政府閉鎖で「国境の壁」めぐり得るものなし。支持率は過去最低。ささやかれる「変調」
それは“勝利宣言”を装った敗北宣言といえた。
「政府の閉鎖を終わらせる『ディール』を結べたと、私は誇りをもってお伝えしたい」
1月25日。ホワイトハウスのローズガーデンでテレビカメラを前に、トランプ大統領がそう切り出すと、周囲の高官たちから拍手がわいた。
◆政府閉鎖の終了を発表するトランプ大統領(動画)
35日間も続いた史上最長の「連邦政府の閉鎖」は、ひとまずこれで終止符が打たれることになった。
「私は、替わりとなるとてもパワフルな対抗手段を有しているが、今はそれを使いたくはない」
トランプ氏はそう強がってもみせた。だが、だれの目にもトランプ氏の「敗北」は明らかだった。