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海外メディアは冷ややかな日韓レーダー照射問題

高橋 浩祐 国際ジャーナリスト

軍事防衛メディアの関心は低い

韓国国防省が1月4日に公開した映像の一部。海自哨戒機が左の円内に映っており、「人道的救助作戦が進行しているなか、日本哨戒機が低高度で侵入した」という説明が入っている=ユーチューブから 拡大韓国国防省が1月4日に公開した映像の一部。海自哨戒機が左の円内に映っており、「人道的救助作戦が進行しているなか、日本哨戒機が低高度で侵入した」という説明が入っている=ユーチューブから
 こうした事情も踏まえ、ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーや姉妹誌のジェーンズ・インターナショナル・ネイビーでは、防衛省が動画を公開してから3日後の2018年12月31日からようやく電子版記事を載せ始めた。拙稿4本を含め、1月31日時点で計6本を掲載した。これは、他の軍事防衛ニュースメディアと比べると、かなり多い本数だ。逆から言えば、他メディアの関心は全般に極めて低い。

 例えば、アメリカ軍の準機関紙「星条旗新聞」(S&S)は、AP通信が配信した記事を2本掲載したものの、自前のスタッフライターが書いた記事は出していない。軍事専門の記者を多数抱えているにも関わらずである。

 アメリカの軍事専門メディア、ディフェンスニュースも12月26日にIs ‘radar feud’ sign of future military confrontation between South Korea and Japan?(レーダー問題は将来の日韓軍事衝突の兆しか)の見出しで、スタッフライターが書いた記事を1本掲載しただけ。イギリスの防衛・航空メディアのシェファードも12月21日にフランスの通信社AFPが配信した記事を掲載しただけで、自前のスタッフライターが書いた記事は載せていない。

「日中のもめ事だと関心を持つが……」

 軍事ニュース専門メディアだけではない。一般ニュースメディアの関心も低い。

 筆者は2019年1月30日、在京の海外メディアの特派員が集う公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)の賀詞交歓会に参加し、なぜ日韓のレーダー照射問題にこれほどまでに海外メディアが関心を抱いていないのか、アメリカ紙のUSAトゥデイや、ドイツ紙の南ドイツ新聞、スイス国営放送SRFの東京特派員らに直接聞いてみた。

 アメリカの別の大手メディアに務める東京支局長は、会社の許可が必要になるため、実名でのコメント引用を許してくれなかったものの、匿名を条件に次のように語った。

 「日本と中国のもめ事なら外国メディアの興味をひくが、日本と韓国がいざ戦うとは誰も思っていない。なので、外国メディアの関心は低い」

 他の外国人記者たちもこの見方に大いに賛同していた。

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筆者

高橋 浩祐

高橋 浩祐(たかはし・こうすけ) 国際ジャーナリスト

英国の軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員。1993年3月慶応大学経済学部卒、2003年12月米国コロンビア大学大学院でジャーナリズム、国際関係公共政策の修士号取得。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターを歴任。朝日新聞社、ブルームバーグ・ニューズ、 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、ロイター通信で記者や編集者を務める。

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